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Pixel 6 Proのカメラバーが思いのほか便利な理由 翻訳・字幕も試してみたGoogleさん(3/5 ページ)

» 2021年10月26日 06時41分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

「Google Tensor」でどう良くなった?

 さて、中身の話に移ります。初のオリジナルSoC「Google Tensor」でどれだけ頭良くなったんでしょうか。

 人間も同じですが、頭がいいかどうかはちょっと見ただけではあまり分かりません。性能が80%アップ、と言われてもピンとこないです。でも、前はできなかったことができるようになったのは分かります。

 そういう目に見える性能アップは、

  • 翻訳機能(リアルタイム字幕、チャットの翻訳)
  • レコーダーアプリでの日本語の文字起こし
  • 音声入力と手入力の融合
  • カメラの「消しゴムマジック」や「モーションモード」
  • 「Material You」のパーソナライズ

などです。Google TensorとAndroid 12というハードとソフトの融合の結果の頭の良さなので、将来的にはGoogle Tensor搭載じゃないスマートフォンでも可能になる機能もあるようです。

 上に挙げた機能の中で一番気になっているのは翻訳機能。私の主な仕事は海外ニュースの翻訳なんで、AIの精度が上がったらそのうち商売あがったりになるでしょう。でも、それまでしばらくの間、Googleの翻訳機能に助けていただくつもり。

これからに期待したい「リアルタイム字幕」

 Pixel 6シリーズのリアルタイム字幕、英語から日本語への翻訳字幕はまだβ版ですが、本体で動画や音声を再生すると使えます。

 musk YouTubeのイーロン・マスクさんインタビューを日本語字幕付きで

 YouTubeなどの英語動画の英語字幕はほぼ完璧(なにしろ2019年からある機能です)。いろいろ助かっています。でも、翻訳字幕となると、原稿を読み上げるような演説だとかなりいいですが、早口な会話の場合はつらいところがあります。上の画像はカーラ・スウィッシャーさんによるイーロン・マスクさんのインタビューで、いつもは早口な2人が非常に慎重に、言葉を選んで会話しているのでそれほど聞き取りにくくはないですが、それでも字幕は追いつかないし、ちょっと意味が分からないところもあります。

 字幕の枠の位置は移動できますが、サイズは今のところ変えられないので、1度に4行しか表示できないのもちょっとつらい。

 β版なので、今後に期待です。

 英語→日本語の自動翻訳字幕を表示するには、まず「設定」(歯車アイコン)→「ユーザー補助」→「自動字幕起こし」をタップして「自動字幕起こしの使用」を有効にします。

 システムを日本語にしている場合、初期設定で「言語と翻訳」は下の右画像のようになっています。英語の字幕が表示されるけど、これを日本語に翻訳できるよ、という意味です。

 jimaku 自動字幕起こしの設定画面

 設定したら、端末右側にある音量ボタンを押すと表示される縦長のツールの一番下にある字幕ボタンが有効(斜線がない状態)であることを確認します。

 これで、日本語以外の対応言語の動画や音声が流れ始めると、字幕カードが表示され、さらに翻訳するよう設定できます。

 β版だけあって、最初はちょっと混乱しましたが、一度設定すればYouTubeだけでなく、Facebook上だろうがニュースサイト上だろうが、音が流れ始めると字幕カードが表示され、流れているのが英語なら自動的に日本語字幕になります。

 jimaku 2 FacebookのザッカーバーグCEOの投稿(左)、ABCニュースの動画

 この機能を使うとAIさんは頭と体力を使うらしく、「バッテリーの使用量が増えます」と注意されます。字幕を消すには字幕カードを画面の下にドラッグするか、音量ボタンで表示される字幕ボタンをタップして斜線付きにします。

 今のところ、対応言語は英語、イタリア語、ドイツ語、フランス語だけです。

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