かくして1992年、IntelとMicrosoftは共同で、APM BIOS Interface Specificationをリリースする。その後1993年にはいくつかの修正と機能追加を行ったRevision 1.1、1996年には32bit対応なども追加したRevision 1.2が出ている(写真5)。
このAPMもまた、IAL(Intel Architecture Labs)によって開発されたものだ。
時系列的な話は既に全然追えないのだが、80386のモバイル/組み込み向け向け省電力版という製品企画が持ち上がった時点で、これを扱えるようにする仕組みが必要ということになり、ちょうど立ち上がったばかりのIALのプロジェクトの1つとして、これに取り組むことになったらしい。
とにもかくにも、これでノートPCに向けて、省電力モードを実装することが可能になった。
もっとも当時の省電力はまだある意味原始的であって、要するにモジュール単位で動かすか動かさないかというレベルの話でしかないのだが。それでも、例えばStandbyに入ったらPCMCIAスロットの電源供給を止めるとか、PCを一切触らずに数分たったらシステム全体をStandbyに入れて数分たったらSuspendに入る、なんて動作はこのAPMを利用することで初めて実現可能となった。
このAPM BIOS Specificationもやはり無償で公開され、PC互換機メーカーはこれをインプリメント可能になったので、(メーカー毎のインプリメント次第で性能差というか「どこまでまともに動くか」の違いはあったものの)どこのメーカーもノートPCにAPMをインプリメントすることが可能になった。AMDも1991年にリリースしたAm386SLでSMMを実装し、Intelと同じようにAPM対応のノートを構築できるようになった。
さてではAPMが実装されて問題は解決かというと、そうもいかなかった。問題点として挙げられたことには、
などがある。
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