“PC”あるいは“Personal Computer”と呼ばれるもの、その変遷を辿る
ラップトップPCのための基礎技術が生まれるまでの紆余曲折 APMからACPIへ(1/4 ページ)
昔ながらのIBM PC、PC/AT互換機からDOS/Vマシン、さらにはArmベースのWindows PC、M1 Mac、そしてラズパイまでがPCと呼ばれている昨今。その源流からたどっていく連載。第11回のトピックは、モバイル全盛の今日においては超重要な技術について。
- 第1回:“PC”の定義は何か まずはIBM PC登場以前のお話から
- 第2回:「IBM PC」がやってきた エストリッジ、シュタゲ、そして互換機の台頭
- 第3回:PCから“IBM”が外れるまで 「IBM PC」からただの「PC」へ
- 第4回:EISAの出現とISAバスの確立 PC標準化への道
- 第5回:VL-Bus登場前夜 GUIの要求と高精細ビデオカードの台頭
- 第6回:VL-BusとPnP ISA PCの仕様をMicrosoftとIntelが決める時代、始まる
- 第7回:Intelが生み出したさまざまなPC標準規格 Microsoftとの協力と対立
- 第8回:USBが誕生したのは「奥さんのプリンタをつなげる手間にキレたから」 USBの設計当時を振り返る
- 第9回:Modern PCの礎、PCIはどう生まれ、いかに成立していったか
- 第10回:PCのスケーラビリティを決定付けた超重要コンポーネント、地味にスゴイ「APIC」の登場
先月のAPIC同様に地味ながら、APICと同じかそれ以上に昨今で重要と見なされているものに、ACPIがある(APICと名前が似ているので、書いていて間違ったりすることも)。今月はこのACPIの話をご紹介したい。
そもそもIBM PCにしても、IBM PC/ATにしても、「電力管理」という概念は皆無だった。そうしたメカニズムは実装されていなかったし、その必要性も薄かった(というか、無かった)。もっともデスクトップであればそれで問題ないのだが、ノート型でしかもバッテリー駆動となると、多少なりとも省電力化という話を考えねばならない。ちなみに最初のノート型というかモバイル(?)PCはCompaq Portable(写真1)であるが、こちらはAC電源のみで駆動されていたから、デスクトップと状況は変わらないものだった。
非AT互換機でも、例えば1981年4月に出た「Osborne 1」(写真2)だとこんな感じ。
ここにバッテリーを積んだら、当時のことだから鉛蓄電池ベースになる訳で、まあ重量20kgに達しても不思議ではない。ラップトップならぬラップクラッシュPCである。それでも、一体式で持ち運べることに意味はあったのだが。
筆者が過去に使ったものの中で、モバイルという名前にふさわしい最初の製品は東芝のJ-3100SS、初代Dynabookである。CPUはCMOS版の80C86 10MHz、液晶は640×400ピクセルのELバックライト(モノクロ)で、東芝は世界初のAT互換ノートPCと説明していたが、80C86という時点でAT互換でないのは明白で、実際にはIBM PC/XT互換である。NiCdバッテリーで最大2.5時間(実際は2時間がやっと)駆動が可能で、にもかかわらず2.7kgと重さは控えめだった。
このDynabookが登場したのは1989年のことである。それより前となると、例えばData GeneralのDG/One(写真3)は1984年に出ているが、4MHzの80C88に128KB DRAM、モノクロ反射型液晶(640×256ピクセル)という構成で重量4kgと、確かに持ち運びは楽ながら、できることにはかなり限界があった。
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“PC”あるいは“Personal Computer”と呼ばれるもの、その変遷を辿る
RISCの歴史、Apple Siliconの歩みを語ってきた大原雄介さんのコンピュータ歴史連載、テーマはズバリ「PC」だ。
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