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Microsoft、“メタバースへの入り口”「Mesh for Teams」提供へMicrosoft Ignite

» 2021年11月03日 03時09分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Microsoftは11月2日(現地時間)、オンラインイベント「Microsoft Ignite」で、「Mesh for Teams」を発表した。ハイブリッドワークを支援するため、Web会議ツールの「Microsoft Teams」で3月に発表したMR(複合現実)プラットフォーム「Microsoft Mesh」の技術を利用できるようにする。2022年に提供を開始する計画だ。

 Teamsのメンバーは、Web会議にMeshの「共有ホログラフィック体験」で参加できるという。

 mesh for teams Mesh for Teams

 Mesh for Teamsは、バーチャルな会議室に集まれる「Togetherモード」や「Presenterモード」などのTeamsの既存機能をベースに構築されている。MRヘッドセットだけでなく、スマートフォンやPCからも参加できる。

 Web会議にアバターで参加することで、自宅の背景や自分の服装を整える必要がなくなる。Web会議ではそうした手間やそこから生じるストレスを嫌う参加者が静止画やイニシャルだけの表示で参加することが多く、それが会議の質に影響しているとMicrosoftは指摘する。

 Microsoftは発表文で「メタバース」という、米Facebook(現在はMetaに社名変更)が7月から使い始めた用語を使い、「Mesh for Teamsはメタバースへの入り口でもある。(中略)メタバースはインターネットの新バージョン(あるいは新ビジョン)と考えてほしい。人々はメタバースに集まり、あらゆるデバイス上の個人的な仮想プレゼンスと通信、コラボ、共有する」と語った。

 Mesh for Teamsでは、ユーザーは自分のアバターとして会議に参加する。企業はTeams内に独自の“immersive space”(没入型スペース)を構築できるようになる。ユーザーはこの没入型スペースにアバターとして参加し、交流する。

 mesh 2 バーチャルロビー(メタバースの一例)

 “HoloLensの父”、テクニカルフェローのアレックス・キップマン氏は発表文で「Mesh for Teamsへようこそ。ここは、顧客が本当に求めているものと、われわれが12年間取り組んできたMRのビジョンが結びついたスペースだ」と語った。

 2022年前半のプレビューの段階で、ユーザーはパーソナライズした自分のアバターとして会議に参加できるようになる。動画や静止画を選択することもできる。アバターに表情を付けたり、身振りを付けたりすることもできるようになるという。将来的にはAI技術でカメラで映したユーザーの動きをアバターに反映させていきたいとしている。

 mesh 3 アバターと動画が混在するTeams会議の例

 アバターとして関係を築いた従業員同士が、他のメタバース空間で(アバターとして)出会い、気軽に立ち話ができるようにしていきたいという。

 deai アバターとして没入型スペースで立ち話する同僚同士。リアルタイム翻訳でリアルよりスムーズに会話できるかもしれない

 メタバースでの会議については、Facebookが8月に「Horizon Workrooms」のβ版を公開している。こちらは「Oculus Quest 2」で参加するものだ。

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