もう一つ、アドビが今回、Maxで強調したのが「3D」の価値だ。基調講演でも、同社の3Dツール「Substance 3D Collection」によって、3D CGの経験が薄いデザイナーでも、Photoshopなどとの連携によって簡単に3Dデータを作って活用できる様を公開した。
アドビにとっての3D、そしてその市場性をどう見ているのだろうか?
ベルスキーCPO:3Dとイマーシブ・クリエーションの世界は、まだ非常に初期の段階にあると思います。そして、3Dを生かした消費者向け体験の多くは「まだ起こっていない」と思います。
これから私たちは「拡張現実(AR)」の世界に生きることになり、エンターテインメントの多くは仮想現実の中で消費されることになるでしょう。すなわち、全てのクリエイティブ・プロフェッショナルは、3Dの没入型インタラクティブ体験を作れるようになる必要があります。
だからこそ、Adobe Substance 3D Collectionにより、全てのクリエイターが新しい仮想現実のためのコンテンツを構築できるようにすることが重要なのです。
もちろん、クリエイターの皆さまのニーズに応えることも重要です。ですから私たちは、PhotoshopやIllustratorなどの製品に、多くの3D機能を導入しているのです。
くしくも、Adobe Maxと入れ替わるようにはじまったFacebookのイベント「Connect」では、ARやVR、それを活用した「メタバース」の可能性が語られた。そして、同社は名前をFacebookから「Meta」に変更することも発表している。
大手IT企業が同じように、別の方向から「メタバースの市場的価値」を語るのは、今を示す象徴的な出来事といえるだろう。
【訂正:2021年11月9日午後3時5分 初出時、ベルスキー氏の肩書をCTO(最高技術責任者)としていましたが、CPO(最高製品責任者)の誤りでした。お詫びして訂正いたします。】
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