こういった準備を整え、石屋製菓は19年から20年にかけて基幹システムをAWSに移行した。データベースには「Amazon RDS」(Amazon Relational Database Service)を採用。負荷分散を行う「Application Load Balancer」といったマネージドサービスを活用することで可用性を高めた。
平野さんによれば、オンプレミスのときと比べて運用コストは大きく変わらないものの、サーバが落ちたときにリモートで再起動したり、何かトラブルがあったときに自分たちで対応できるようになったりしたという。
AWS移行によって、経営層など関係者の意識も変化した。実際にクラウド移行を行ったことで「何百万も出してサーバを買わなくていい」という考えが根付き、懇意のSIerとも「クラウドでもやれる」という意識を共有できるようになった。
こういった状況を踏まえ、石屋製菓では現在、ファイルサーバやWebサイトなど、基幹システム以外の基盤もAWSに移行中だ。情シスのメンバーも増えたため、最終的には自社のサーバルームにあるサーバを全てなくせるよう、クラウド移行を進める方針という。
「当社で言えば、経営層の後ろ盾を作れたことが成功要因なのかなと思っている。理解してもらえるように喋っていくのが大事。このまま、サーバルームはただクーラーが涼しい部屋にしてしまいたい」
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