2016年のプロジェクト開始当時、シミュレーションせずに同じ脳みそを載せた産業用ロボットにあるタスクを学習させたところ、4カ月かかって75%の成功率しか出せなかったものが、今の強化学習とシミュレーションを繰り返す方法だと、学習を初めて1日以内に90%の成功率で当時より複雑なタスクをマスターできるようになったそうです。
しかも、「ドアを開ける」学習で得たアルゴリズムを、カフェの椅子を整えるという新しいタスクに応用できることもわかったので、これを汎用学習ロボット実現の兆候と考えてプロジェクトから企業に移行したんだそうです。
しばらくは、ロボットたちはナニー役のGooglerの見守りつきでキャンパス内で簡単なタスクを実行するだけです。ナニーはロボットが障害物をうまく避けられずに立ち往生してしまったり、ものをうまく掴めなかったりすると、それを根気強く修正していきます。失敗するまで見守って、それから成功する方法を教え、うまくできると褒める(それはAIがやるんだけど)様子は、小さい子を見守る母のようです。
ブロンドモCRO(最高ロボット責任者)は何度も、「クールなロボット技術の構築はそれ自体が目的ではない。今のコンピュータがデジタル生活で役立つのと同じレベルで物理的な生活に役立つロボットを作りたい」と語っています。
高齢者をロボットが人間より優しく的確に介護してくれる時代が来るかも。人体の重心バランスや顔色などを人間より敏感に察知できるようになったら歩行補助やベッドに寝かすことなどは人間より上手にできるようになるかもしれません。私が要介護になるころに間に合ったら、ぜひお願いしたいものです。
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