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Googleを解雇されたAI倫理研究者、独自研究所DAIR設立 フォード財団などが支援

» 2021年12月03日 13時24分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 2020年12月2日に米Googleを解雇されたとツイートしたAI倫理研究者のティムニット・ゲブル氏が、新たなAI研究所Distributed AI Research Institute(DAIR、分散型AI研究所)を立ち上げた。DAIRが12月2日(現地時間)に公開したプレスリリースで同氏は「AIを堅実なレベルに引き戻す必要がある」と語った。

 dair DAIRのWebサイト

 プレスリリースによると、DAIRは「AIの研究、開発、展開に対するビッグテック(GoogleやFacebookなどの技術系大企業を指す)の広範な影響に対抗するために設立された、独立したコミュニティに根ざす研究所」という。

 ゲブル氏は、AI技術に潜在する害は防止可能であり、多様な視点と慎重なプロセスで開発すれば、人々を害するのではなく、人々のために役立たせることができると信じていると語った。

 gebru ティムニット・ゲブル氏(画像:DAIR)

 ゲブル氏はAI研究分野で著名な研究者で、GoogleでAI倫理の研究をしていたが、AIに関連する偏見についての論文を共著した後、突然解雇された

 DAIRは、Ford財団、MacArthur基金、Kapor Center、Open Society財団から資金援助を受けている。米Washington Postによると、資金額は370万ドル。

 ゲブル氏は事務局長に就任。諮問委員として、「Algorithms of Oppression」(抑圧のアルゴリズム、未訳)の著者として知られるサフィヤ・ノーブル氏が参加する。

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