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Google、AI倫理チームの共同リーダーを解雇 行動規範違反を理由に

» 2021年02月22日 12時16分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Googleの研究部門Google Researchの「Ethical(倫理的)AI」チームの共同リーダーだったマーガレット・ミッチェル博士は2月19日(現地時間)、「解雇された」とツイートした。同氏は昨年解雇されたティムニット・ゲブル博士に対する社内差別について独自に調べていた。


 Googleは前日、Ethical AIチームに代わると見られる新組織「責任あるAIに関する新専門知識センター」の開設を発表した。新チームの責任者には、Ethical AIチームとはこれまで関わっていなかった音声処理分野の専門家で黒人女性のマリアン・クローク博士が就任した。ミッチェル氏はこのニュースをGoogleからではなく、報道から知ったとツイートしていた。

 ミッチェル氏は、ゲブル氏が解雇された後、同氏に対する社内での差別と嫌がらせの実態を調査するために社内通信を検索していたと報じられ、社内メールシステムから締め出されていた。

 Googleはミッチェル氏解雇について米Reutersに対し、ミッチェル氏が電子ファイルを社外に持ち出したことで会社の行動規範とセキュリティポリシーに違反したたため解雇したという声明文を送った。

 米Axiosによると、ミッチェル氏らの上司の上司に当たるAI部門のトップ、ジェフ・ディーン副社長は同日、ゲブル氏退社に関する調査を終えたと従業員にメモを送ったという。同氏は、この問題を受けてポリシーを改善し、(ゲブル氏解雇の直接原因になった)論文発表のプロセスの合理化や従業員退社に関する新たな手順の制定などについて説明した。

 ディーン氏はメモで「この状況にもっと迅速に処理できたはずだと理解している。そうできなかったことについて謝罪する」と書いた。

 ゲブル氏はミッチェル氏によるクビ報告ツイートの数分後、「Ethical AIチームのリーダー、メグ・ミッチェルが解雇された。社内メールシステムから5週間締め出されていた彼女は自分のプライベートメールでその知らせを受け取った。これで言いたいことが言える。みんながやつらのうそっぱちにだまされていないことを知って嬉しい。Googleの副社長たちはお気の毒」とツイートした。同氏は解雇されて以来、Twitter上でGoogleの従業員に対する「ガスライティング」(映画「ガス燈」に由来する心理的虐待)について訴え続けている。


 本稿執筆現在、Googleからはこの件についての公式コメントは特にない。

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