「iPhoneにタイヤをつけたようなクルマ」と表現されるTesla。IT・ビジネス分野のライターである山崎潤一郎が、デジタルガジェットとして、そしてときには、ファミリーカーとしての視点で、この未来からやってきたクルマを連載形式で語ります。
今回は、Tesla Model 3による長距離ドライブがテーマです。前段は、筆者の往復約1400kmの旅。後段は、1回の満充電で776kmを走破したロングドライブ記録保持者の体験談を紹介します。Model 3 ロングレンジ版の公式スペックは580kmなので、3割増しの航続距離をたたき出した計算になります。
実家のある岡山までModel 3で旅をしました。EVというと、航続距離に不安を抱いている人も多いと思います。今回長旅を経験して、後述する留意すべきネガティブ要件を除いては、基本的に以前所有していたメルセデス・ベンツと変わらぬ要領で無事に旅を終えることができました。
自宅を出発したのは午前3時30分、東名高速道路の横浜青葉インターチェンジ(IC)のETCゲートを午前4時前に通過することで、高速料金が30%割引かれます。事前に立てた充電計画では、滋賀県の大津で1回充電するだけで岡山まで到達可能。ただ、岡山市内の実家には充電コンセントが設置されていないので、翌日の予定を考慮して倉敷まで足を伸ばし充電してから実家に向かうことにしました。
出発時、100%充電が完了したModel 3の航続距離は546kmと表示。約430km先のTesla専用の充電施設「大津スーパーチャージャー」を目指します。バッテリーの減り具合を示すグラフによると、残量5%で到着できるようです。航続可能距離との計算が合いませんが、まあそんなものです。車載コンピュータは、ガス欠ならぬ電欠に配慮してかなり安全側に振った予測を立てる傾向にあります。
それと同時に「95km/h以下で走行してください」と表示されています。Model 3の場合、時速100kmを超えた辺りから電費が急速に悪化します。最大の原因は空気抵抗です。EVの電費は空気抵抗に大きく影響を受けます。
大津到着時にバッテリー残量5%というのは、ちょっとどきどきしますが、これまでの経験上、普通に走っていればそこまでギリギリの状況になることはないだろうと予測していました。
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