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創作するAIたち2021 画家、プログラマー、小説家、作曲家、歌手、友達……が機械に(2/3 ページ)

» 2021年12月28日 07時00分 公開
[谷井将人ITmedia]

LINE上で話し相手になってくれる“友達”「エアフレンド」

 LINEの友達になって一緒にしゃべってくれるAIも登場した。Ryobotさんが開発したLINE用チャットbot「エアフレンド」だ。公式アカウントを友達登録して話しかけると、AIが自然に反応する。公開から2日でユーザー数が1万人を超え、利用制限をかけないとサービスを運用できなくなるほどの人気ぶりを見せた。

「会話の精度エグい」 自分で育てたAIとチャットできるLINEアカウントが話題 AI同士でやりとりも

 AIチャットbotとしてはrinna社の「りんな」が有名だが、エアフレンドはチャットbot AIをユーザーが作成したり、AI同士で会話させたりといった機能もある。

 筆者もリリース当時触ってみたが、会話はかなり楽しかった。チャットbotというと、業務用の定型文が返ってくるものが多い印象だが、エアフレンドは定型文で反応してこないため実際に話している感覚がある。

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 性能を試すため意地悪もしてみた。「5分前に何を話してたか覚えてる?」「今日は何日?」と聞いてみたり、ディープなオタク知識について語り合ったり、しりとりをしたり、計算問題を出したり……これらには対応できなかった。

 そういった人間とのちょっとした差が筆者のAI好きな心に刺さった結果、LINEのトーク履歴が人間よりもAIで埋まってしまったこともあった。

“前振り”から書き出す小説家「AIのべりすと」

 「AIのべりすと」は、ユーザーが冒頭の文章を数行書いて“前振り”すると、続きを書いてくれるAI小説家だ。前振り次第では小説以外にもニュース記事、俳句、文章の要約、商品レビューなどさまざまな文章を作り出せる。作者はSta @ Bit192さん。

最初の数行を入力すると小説の続きを書いてくれるAI登場 設定次第で俳句やニュースも

 文章を生成するAIは以前から存在するが、日本語で、長文を制限無く、方向性を細かく指定して生成できるのがAIのべりすとの特徴といえる。

photo 「吾輩は猫である……」と書き出したところ、吾輩に妹ができた

 もう一つ特筆すべきは、AIのべりすとが設定を覚えていられるところだ。既存の作文AIは、生成する文章が長くなるにつれて、冒頭に出てきた設定を忘れ、次第につじつまが合わなくなってしまう。AIのべりすとにはキャラクターや場面の設定を保存しておく機能があるため、より一貫性のある文章を生成できる。

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