昨年、似たようなコラムを書いたのだけど、その書き出しは「2020年はコロナ禍で大変な年だった」である。2021年も同じじゃないか。いやもっとひどかった。
でも、インパクトはあった。
何しろ、1月にはソニーがフラッグシップ機「α1」を発表して3月に投入。開発発表されたキヤノンの「EOS R3」もニコンの「Z 9」も年末の発売に間に合い、品不足で予約をしても数カ月待ちなんて状況になりつつも、インパクトが大きかったのだ。
さらに、富士フイルムのラージフォーマットカメラ「GFX100S」も合わせると、実に各社の最上位機……つまりコストをかけて最新の技術を投入し、高い性能を実現したモデルがいくつも出てきたのである。
ソニーのα1は同社の持つハイテク技術をコンパクトなボディにぎゅっと詰めこんだ感のある製品で、5000万画素で秒30コマ連写を両立させたのみならず、動体ゆがみを抑えた電子シャッター、人や動物に加えて鳥にも対応したリアルタイム瞳AF、8K動画、映像クリエイター向けの機能や拡張性と“全部入り”感がすごかった。
キヤノンのEOS R3はフラッグシップともプロ向けともうたわない(『無双』とは言ってるけど)製品で、画素数は2400万画素にとどまったが、賢くて速いAFと高速連写と、動体ゆがみを抑えた電子シャッターなどなどEOS R5/R6をベースに高性能を追求したカメラだった。
そして最後に登場したニコンのZ 9。
こちらも高画素と高速性を同時に実現したモデルで、4500万画素で賢くて速いAFでバッテリーの持ちも良くて、長年プロ向けのカメラを作り続けてきたニコンならではのボディの剛性感や操作性を生かした名機といっていい。
そして何より、メカシャッターを取ってしまったのである。実験的なモデルならともかく、高い信頼性を求められるプロ向けのフラッグシップモデルでそれをやったのだからすごい。
この3機種をぐちゃっと一緒くたにして、今までのデジタル一眼からどう進化したかを引っ張り出して見ると、「AF」「連写」「電子シャッター」の3つが浮かび上がってくる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR