ローランドのシンセサイザーの代名詞となったのが、1981年の「JUPITER-8」である。ポリフォニックのアナログシンセとしては、Sequencial Circuitの「Prophet 5」と並んで、名実ともに最高峰と言っていいだろう。ただ98万円という価格だったので、アマチュアに手が出せるようなものではなかった。筆者も1983年頃にスタジオで1度だけ弾かせてもらったことがある程度である。
1980年の「TR-808」といい、当時はアナログ技術で最高峰を突き詰めようとしていた時代であり、プロ向けの製品が多かった。
1981年には、コンパクトなリズムマシンとして、「TR-606」が出た。友人が買ったのでしばらく触らせてもらったのだが、ディスプレイが何もないので、変拍子を入力するのが非常に分かりにくかった。同じくベース用の「TB-303」も貸してもらったのだが、これはもっと難解で、全然思ったようなフレーズが入力できなかった。
結局、友人は「TB-303」を手放してしまったのだが、のちにテクノグループ「HardFloor」がTB-303を駆使したサウンドで一斉を風靡し、「ああ、これってそうやって使うのか」と思ったものだった。
1982年には「JUNO-6」、それからすぐ音色が保存できる「JUNO-60」が出た。当然音色が保存できるほうがいいわけで、JUNO-6を出てすぐ買った人は不満たらたらだった。
当時ローランドのシンセサイザーは、音がザラッとしており、単体で弾いてもあまり面白い音ではなかった。よって筆者のようなホームレコーディング派の人たちには、不評だった。一方バンドなどのアンサンブル内に入ると音が立つので、バンドマンには人気があった。
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