「ただ、やはり安心・安全は、タイガー魔法瓶としては譲れないところなので、搭載に踏み切りました」と南村氏。安全弁の技術は、タイガー魔法瓶のもう1つの主力製品である、「タイガー圧力IHジャー炊飯器〈炊きたて〉」シリーズで培った技術を応用した。
「炭酸飲料による圧力は、炊飯器にかかる圧力とは比べものにならないくらい大きいんです。また、しょっちゅう安全弁が働くようでは、密閉性、保冷性が損なわれます。その辺りの調整にも苦労しました」と南村氏が言うように、単に安全弁を付ければ良いと言う話ではない。
余談だが、魔法瓶メーカーが炊飯器を作っているのにも理由がある。もともと魔法瓶はガラスによる真空2層構造で保温していたのだが、その技術を応用して、ご飯の保温器を作っていた。それが電子ジャー、そして炊飯ジャーに発展し、その技術が、真空断熱ボトルに再び戻ってきたのが、今回の炭酸対応ということになる。
「実際、相当の圧力にならないと安全弁は必要ないのですが、例えば、夏の車内に2日以上放置して、ボトル内の水温も上がった状態だと、やはり噴出などの事故の可能性があります。そういった状態になったときに働く機構として安全弁を組み込みました」と南村氏が言うように、安全弁は、最後の切り札的な機能なのだが、実際に使う側とすれば、あると無しでは安心感に大きな違いがある。
面白いのは、いざ商品になってみると、炭酸飲料とタイガー魔法瓶の真空断熱ボトルは、とても相性が良かったということ。そもそも、炭酸飲料は冷たければ冷たいほど泡が出にくいわけで、保冷ができる真空断熱ボトルは、その点だけをとってもペットボトルや缶よりも有利なのだ。
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