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ビールの飲みかけ保存ができる、タイガー「真空断熱炭酸ボトル」で飲んで分かった衝撃(4/4 ページ)

» 2022年02月05日 07時51分 公開
[納富廉邦ITmedia]
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泡立ちが少ない理由

 前述の南村氏のコメントで「暑い車中で2日以上」とあったように、そのくらい経過しないと中の炭酸飲料が危険な状態にならないくらい、保冷力が確かだ。

movie【クリックすると動画が再生されます】実際に、炭酸飲料を注いでみた。ほとんど泡が立たない。事前にボトル内をよく冷やしておくと、より効果的なのは、シャンパンの栓を抜く時と同じ理屈

 さらに、タイガー魔法瓶が2013年から採用している「スーパークリーンPlus」という、ボトル内部を凹凸の無いツルツル状態に加工する技術のおかげで、炭酸飲料をボトルに注いだときの泡立ちがとても少ない。これは、実際試すとよく分かるのだけど、実は、開発陣も、テスト中に発見したそうだ。

 完成後に、クラフトビールのブルワリーさんに持っていってテイクアウトした際、「泡立ちが少ない」と言ってもらったのがうれしかったそうだ。これ、つまりは、コーラなどを入れた際でも洗いやすいというわけで、より炭酸飲料向きのボトルに仕上がっているということにもなる。

 もともとは、飲み物の中の糖分などの付着を抑えて、洗いやすくするための加工で、しかも、もう当たり前の機能になっていたため、気付かなかったらしい。とはいえ、ずっとやってきた技術に脚光が当たるのはうれしいと南村氏は言う。これ、つまりは、コーラなどを入れた際でも洗いやすいというわけで、より炭酸飲料向きのボトルに仕上がっているということになるのだ。

photo バルブのつまみをイメージしたキャップは、炭酸対応のイメージを表すと同時に開けやすさにも貢献している。ストラップは着脱可能。飲み口が小さいタイプなので、熱い飲料には使用できない

 デザイン面でも、飲み口のキャップを、ガスのバルブを緩める部品のような形にしたり、マットで滑りにくい表面加工にしたりと、実用性と、炭酸OKを見た目でも表現するという双方を融合したスタイルに仕上げている。丁寧な製品作りがうれしい。

 保冷能力にしても、実際のところ、真空2層構造なら、どのメーカーも素材がガラスでもステンレスでもチタンでも、その部分の能力は変わらない。ではどこに差が出るかというと、キャップ部分や飲み口の形状ということになる。

 キャップ部分がさりげなく2層構造になっていて、パッキンがボトルの内側にあって、キャップからの熱が伝わりにくくしているなど、タイガー魔法瓶ならではの細かい配慮は、当然、この製品でも生きている。

 個人的には、炭酸飲料には氷を入れたいタイプなので、保冷効果は更に高まる。その分、炭酸の刺激は弱くなるが、私には、そのくらいがちょうどいい。微発泡、低アルコールの甘口ワインを入れてライブに出かけたりしている。この楽しみ方は、このボトルがあってこそだ。

 容量も、500mLが最小サイズで、最大1.5Lのタイプまである。ビール好きにも対応する、この大容量も、何を入れて飲むのかというシチュエーションをきちんと考えて設計されている感じがしてうれしい。

 ぼちぼち技術も出尽くした感がある真空断熱ボトルだが、まだまだ面白い製品が出てくる。こうなると、もしかすると、夢に見た、円筒形ではない真空断熱ボトルの登場もあるかもしれない。

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