クラシエホールディングスは2月9日、同社グループで管理しているPCの一部が、メールを介して広まるマルウェア「Emotet」に感染したと発表した。グループ社員の従業員を装った成り済ましメールが、同日までに顧客や関係者へ送信されていたことが分かったという。
Emotetは、メールの添付ファイルやリンクを開くことで感染するマルウェア。感染すると、メールアドレスやメールの内容、Webブラウザに保存したID・パスワードなどを盗み取られたり、新たな成り済ましメールを勝手に送信し、被害を広げたりする。
通常、クラシエグループでは「○○@kracie.co.jp」を使っているが、Emotetに起因する成り済ましメールは別のアドレスから送られてくるという。ただし、送信者には同社グループの従業員の名前が使われており、添付ファイルを開くとEmotetに感染する可能性があることから、同社はメールを受け取ってもファイルを開かず削除するよう呼び掛けている。
Emotetは2014年から21年1月ごろにかけて感染を広げていたが、各国の治安当局により一度は拡散が止まっていた。しかし同年11月ごろに活動を再開。日本でも、22年2月4日までにライオンや積水ハウスグループ、リコーグループのリコーリース(東京都千代田区)などが感染を報告している。
Emotet制圧も、新たな脅威「IcedID」が登場 添付ファイル経由のマルウェアに必要な対策とは 専門家に聞く
Emotet活動再開 日本も標的に LACが注意喚起
進化を続けるマルウェア「Emotet」 怪しく見えないメールも警戒を
「疑わしくないメール」にも疑いの目を 猛威を振るうマルウェア「Emotet」に注意Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR