全国出版協会・出版科学研究所(東京都新宿区)は2月25日、2021年のコミック市場の推定販売金額が、紙と電子を合わせて6759億円(前年比10.3%増)、電子のみで4114億円(同20.3%増)になったと発表した。いずれも過去最高値で、電子コミック市場が4000億円を突破したのも初。
出版市場におけるコミックのシェアは40.4%となり、初めて4割を超えた。同研究所は「『鬼滅の刃』に続き『呪術廻戦』や『東京卍リベンジャーズ』が大ブレーク。マンガアプリやWeb連載の作品でも新たなヒットが生まれている」と指摘。人気作の台頭が、コミックのシェア拡大につながっていると説明した。
電子コミックのシェア拡大の理由については「コロナ禍の自粛生活で拡大した新規ユーザーがそのまま定着して電子コミックを購入、さらに『縦スクロールコミック』が漫画を読んでこなかった新たなユーザーを掘り起こしている」(同研究所)と推測している。
違法海賊版サイト「漫画 BANK」などが閉鎖されるなど、業界団体の取り組みも市場拡大の一因という。
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