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CP+2022に学ぶ、「オンラインイベント」はどうあるべきか小寺信良のIT大作戦(4/5 ページ)

» 2022年02月26日 09時04分 公開
[小寺信良ITmedia]

国内オンラインイベントに欠けているもの

 国内で開催されるオンラインイベントは過去たくさんあったが、共通していえる課題は、開催してしまったらポータルの更新を止めてしまうことではないだろうか。そもそもトップページの最新ニュースが、2月7日の「会場イベント中止」のお知らせというのは、いかがなものか。もうちょっと出すべきニュースがあるだろう。

 イベントプログラムにしても、ライブ配信が終わったら、アーカイブ視聴者向けに分類掲載すべきだ。後から見る人が、「えーとたしか23日のソニーソニー……」と探すかといえば、そんなわけあるか、という話である。

 CP+2022の検索ページでは、製品ジャンルこそ選べるが、その先は「日程」を選択するしかない。日程は、主催者にとっては大事だろうが、視聴者にはそうではない。

photo コンテンツは「日程」でしか探せない

 これは「本屋における出版社ごとの棚」論理と同じである。多くの人にとって、その本がどの出版社から出ているかなどは知ったことではなく、作者や作品、ジャンルしか興味がないのだ。同様に後からアーカイブを見る人が知りたいのは、メーカーや製品名、セミナー内容なのであり、何日の何時にそのイベントがあったかなど、知ったこっちゃないのである。

 カメラ関係では、小さいコマで出しているアクセサリなども注目度が高いケースがある。話題性があれば、コマの大小はあまり関係なくなるわけだ。こうした会社の製品は、どうしても動画プログラムとなって大手メーカーと並ぶと、目立たなくなってしまう。

 そこで主催者プログラムとして、「これをお見せするはずでした!」というコンテンツを用意した。各メーカーが駅伝のような格好でたすきリレーをしながらプレゼンを行なうもので、内容的には見応えがある。

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