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「Apple発表会はリーク通り」で考える、ネタバレとリークの関係 ガッカリの声に違和感を持つ人もヤマーとマツの、ねえこれ知ってる?(2/4 ページ)

» 2022年03月16日 14時01分 公開

ITの世界における「ネタバレ」とは?

マツ そうそう。今回のテーマは、それがコンテンツだけじゃなくて、テクノロジーにまで広がっているというところです。

ヤマー いわゆる「リーク」ってやつですね。今回の発表イベントの内容も事前にリークがありましたね。全てが当たっていたわけではありませんでしたが。

photo リーク記事が出ていたMac Studio

マツ はい。この歴史はけっこう古くて。

ヤマー そんなに前からあるんですか。

マツ 僕がMacUserの編集長をやってた1993年ごろには既にありました。

ヤマー 新情報を求める欲求は昔からあったんですね(そらそうかw)

マツ そのときの提携先だったMacWEEKという、Appleの話題に特化した週刊情報誌が、Appleの新製品情報を次から次に出してきて、MacWEEKじゃなくてMacLEAKだと言われていました。実際にうわさ記事を書いている記者に会ったこともあります(笑) 一時期のAppleはそれが常態化しちゃっていて、ある種のマーケティング手法になっていたという。

ヤマー だれうま……。ある種のマーケティング手法ってことは、Apple側もわざとリーク情報を出していたってことですか?

マツ 自分達のチームに都合のいい情報を流すというやつですね。いわゆる観測気球的なことも含めて。このMacLEAKという表現は、ジョブズが追い出した、Apple建て直し用のCEO、ギル・アメリオが著書「アップル薄氷の500日」で書いています。以前、ヤママツで紹介したら、その後中古価格が爆上がりしたそうです(笑)

photo 「アップル薄氷の500日」。撮影は本書の担当編集者、佐藤由紀子さん

ヤマー 結局私読めてませんからねこの本w しかし、チームということは、Apple本体の動きではなくて、Apple内部の特定のチームが単独でやっていたってことですか?

マツ ですね。それが1チームだけじゃなくて、あらゆる部署で。これは抑えようがなかったと、アメリオは嘆いていました。

ヤマー じゃあ、会社としては全く予期していない情報が外に出ていると。ただの情報流出な気が……。

マツ ですね。ジョブズが復帰するまでは、そんな状態でした。例えば次の画像は、MacUserの1995年4月号に掲載した、MacWEEKのリーク記事。

photo MacUser/Japan 1995年4月号に掲載した、MacWEEKのリーク記事

ヤマー えらく具体的に書かれてありますね。「ジョブズの復帰までは」ということは、その後改善されると。でも、今もAppleのリーク情報は出てますよね。

マツ ジョブズ体制になったからといって、皆無になったわけではなく。実際に、リーク通りの製品をジョブズが発表したことも何度もあって、その時は、「みんな知ってるだろう?」って笑ったりしてましたが、心では鬼の形相だったかも。

ヤマー ジョブス体制でも基本的にはリークは出したくなかったスタンスだったんですね。防ぎたくても防げない。

マツ 実際、漏洩した担当者にはきつい処罰や訴訟が起こされたこともありますし……。

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