フィルム一眼レフのEOSが快進撃を続ける中、徐々にデジタル一眼レフの開発も始まるわけである。
最初は1995年の「EOS DCS 3」。ただしここから1997年の「EOS D2000/D6000」まではカメラ部分を「EOS-1N」、デジタル部分をコダックが担当という業務用モデルで、一番安くて200万円だった。知る人ぞ知るモデルだ。
キヤノンならではのデジタル一眼レフの始まりは2000年に発売された「EOS D30」。ちなみに2006年には「EOS 30D」ってカメラも出てるのでちょっとややこしい。
このEOS D30はキヤノンオリジナルのCMOSセンサー搭載ってのがミソだった。
2000年頃はまだまだCCD全盛期。CMOSセンサーは将来主流になるが、今はまだ発展途上の技術と思われていて、実際にEOS D30もノイズや発色の点で当時のCCDモデルに比べてイマイチだったという印象がある。
でも画質はぐんぐんと上昇し、EOS DxxからxxDと型番が変わった頃からかなり良くなった記憶がある。
キヤノンが先んじて取り組んでいたCMOSセンサーの時代が来たのだ。
そして「EOS Kiss Digital」シリーズのヒットや、フルサイズセンサー機の「EOS 5D」シリーズでその地位を確立した感じだ。
その後は、デュアルピクセルCMOSセンサーを搭載してライブビュー時のAFも速くなり、動画用のカメラとして使われるようになるなど、その世界を広げていったのである。
いつだったか、NHKのとある番組に出演したとき、ロケ現場で業務用のビデオカメラとEOS 5D(Mark IIかIIIか)の両方が使われているのを見て、ああそういう時代になったんだなあと思った記憶がある。
ちょっと厄介だったのがマウント。
もちろんEFマウントを継承していたのだが、APS-Cサイズセンサー用にあらたにEF-Sマウントが追加され、それはフルサイズセンサーのEOSでは使えなかったのだ。フルサイズセンサーのEOSにAPS-Cサイズ用のレンズをわざわざ使うシーンはあまりないだろうけど、他社はそういう制限がないので気になったのである。
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