さくらインターネットは3月24日、IoT基盤「さくらのモノプラットフォーム」の提供を始めた。IoTデバイスからクラウドアプリケーションへの接続を、自動化やAPI利用、通信環境の提供などを通じて簡単にするという。「クラウド事業者だからこそ、IoTサービスに必要な基盤を提供し、市場が求める期待にも応えられる」(同社)とした。
同社の西田有騎プロダクトマーケティングマネージャーは「IoTデバイスの数は堅調に増加する一方で、成長を阻害する何らかの要因がある」とIoT市場を分析。要因の一つに上げたのは、IoTデバイス開発者の人材不足だ。開発には通信やセキュリティなど複数領域の要素を必要とするため、現状では自社での設計力を持つ企業でしか、IoTサービスの導入を進められないという。
この解決のため、さくらのモノプラットフォームでは、IoTデバイスの電気設計に役立つ開発キット全6種類を提供。これらの設計情報はオープンソースソフトウェアのライセンスである「MITライセンス」に基づいているため、顧客は商用利用や複製、変更、掲載、頒布が可能という。デバイスの実装例なども公開し、開発しやすい環境を提供する。
通信回線には、モバイルネットワークサービスとして提供中の「さくらのセキュアモバイルコネクト」を用意。1枚のSIMでNTTドコモとKDDI、ソフトバンクの3キャリアのLTE通信が可能になるため、通信の冗長性を確保できるのが特徴。開発キットと併せて提供することで、IoTデバイスの通信環境にまつわる課題を解決する。
さくらのモノプラットフォームでは、IoTデバイスの管理やデータの中継などもWebブラウザ上でコントロールできる。「『技術・ビジネス・人・物をひとつにつなげるIoTの道具箱』をコンセプトに、IoT分野で必要とされ続けるサービスを目指す」(西田プロダクトマーケティングマネージャー)とした。
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