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21世紀の「OM-1」は画質が良くてAFもすごく速くなっていた荻窪圭のデジカメレビュープラス(3/5 ページ)

» 2022年03月30日 09時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]

基本画質が向上しててうれしい

 とまあ使い勝手的には良くなったと思う。

 問題は画質だ。ちょっと撮ってみたところ階調が柔らかくなってディテールの描写がちょっとしゃきっとして色もちょっと良くなって高感度時の画質が上がった気が……っていいことずくめなのだが、本当にそうなのか。センサーと画像処理エンジンが変わっただけでそこまで違うのか。

 まずは、室内逆光というちょっと苛酷な環境で撮った人物写真でチェック。

室内の半逆光で少しプラスの補正をかけて撮影。肌の色のノリがよくてホワイトバランスもいい感じに(12-40mm 40mm 1/125秒 F2.8 +2/3 ISO400)

 同じ場所同じレンズ同じ露出でE-M1 Mark II(E-M1 Mark IIIとセンサーは同じなので前モデルとの比較、という目で見てよいかと思う)で撮ったものと並べてみた。

 左がOM-1、右がE-M1 Mark II。発色も階調表現も違う。

左がOM-1、右が同じセッティングでE-M1 Mark IIで撮ったもの。肌の発色が良くなってるし、ディテールも階調も差が出た

 OM-1ではセンサーのダイナミックレンジが広くなったというけれども、確かに肌の階調を見るとハイライト部に差が出てる。

 わかりやすいように拡大して見た。光が当たってる部分が白トビしてないし(1段分広くなったと言っていた)、ディテールの描写もしっかりしているのだ。

左頬あたりのハイライト部の表現の差に注目

 今まで「マイクロフォーサーズはセンサーが小さいから画質に難がある」と思ってた人の気持ちを揺らがせるには十分かもしれない。

雨天の屋外でポートレート。自然でいい写りだ(12-100mm 21mm 1/250秒 F4.0 +1/3 ISO400)

 センサー技術の進歩を画素数を増やすことに費やすのではなく(画素数は2000万画素から変わってない)、階調を豊かにしたり高感度時の画質を上げるように使ったのは英断だ。

 ついでに高感度時の絵も見てみよう。

 ISO16000で撮ったうちの黒猫。今までのマイクロフォーサーズだとISO10000以上はよほどじゃないと使いたくないってレベルだったけど、これならイケる。髭もつぶれてないし。

猫なのでシャッタースピードを高めにして狙ったらISO16000まで上がってしまった。でも毛や髭のディテールは残ってるし、階調もちゃんとしてる。これは良い(12-40mm 35mm 1/320秒 F2.8 ISO16000)

 ではいつもの被写体で高感度時の画質をチェック。

 E-M1 Mark IIやMark IIIでは常用ISO感度がISO6400まで、拡張ISO感度でISO25600だった。

 OM-1では常用ISO感度でISO25600、拡張ISO感度ではISO102400まで上げられるのだ。

ISO400からISO102400まで等倍で表示して比較。ISO51200以上はさすがにディテールがあやしくノイズも増えるが、ISO12800までは常用できる

 E-M1 Mark IIのISO12800と比べてみると、暗部のノイズやディテールがつぶれているか否かという点で違いが出てる。

左がOM-1、右がE-M1 Mark II。赤く囲ったところに違いが良く出ている

 これを大きな差とみるかどうかは人に寄りけりだろうけど、この画質向上は実に素晴らしいのである。

 というわけで、いつものガスタンクも。

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