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Engadget日本版の思い出 4つの時代を振り返る(1/3 ページ)

» 2022年03月31日 10時00分 公開
[小寺信良ITmedia]

 3月31日の更新をもって、17年間続いたEngadget日本版が終了する。

photo 最終更新日のEngadget日本版

 ブログメディアとして、またガジェットメディアとして華々しい成果を上げたサイトの突然の終幕に、驚かれた方も多いと思う。もちろん筆者もその1人である。

この記事について

この記事は、毎週月曜日に配信されているメールマガジン『小寺・西田の「マンデーランチビュッフェ」』から、一部を転載したものです。今回の記事は2022年3月28日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額660円・税込)の申し込みはこちらから。さらにコンテンツを追加したnote版『小寺・西田のコラムビュッフェ』(月額980円・税込)もスタート。

 筆者がITmediaに「Engadget」って何だ?というエントリーを上げたのが2006年のことである。それだけEngadgetというメディアは突然始まり、あっという間に人気サイトになっていったにもかかわらず、そもそもどういうメディアなのか素性も何も分からなかった。

 エントリーにもあるが、当時Engadgetの主筆であったIttousai氏に初めてお会いしたのが、2006年の夏頃だったはずだ。そして数カ月後に改めて連絡し、秋葉原UDXかどこかの喫茶店で取材させてもらった。

 取材の最後にIttousai氏は、筆者のカバンの中を拝見できないかと言ってきた。筆者の取材道具が知りたいのかなと思ってカバンの中のものをいろいろ取り出していったのだが、みるみるうちに興味を失っていったのが手に取るようにわかった。

 おそらくIttousai氏の周囲の人間のように、秘密の趣味のものを肌身離さず持ち歩いているのでは、と思われたようだ。それは生憎なことであった。

 それ以降Ittousai氏とは、メーカーの発表会等で会うたびに挨拶する仲になった。当時ソニーいじりが絶好調な時期で、ソニーの発表会で会った際にぜひソニーの広報部長さんに紹介したいと申し出たのだが、必死の形相で抵抗された。

 Ittousai氏の方からEngadgetに記事を書いてくれないかと言われたのは、Blu-rayレコーダにかかる補償金をめぐる、いわゆる「東芝補償金裁判」のときだった。知財高裁判決が出た頃だから、おそらく2011年ごろのことだったと思う。今はもうエントリーがなくなっているようだが、以前から補償金問題を追いかけてきた筆者に、経緯も含めた解説記事を書いて欲しいという依頼だった。最高裁判決が出た2012年にももう1本書いたはずである。

 その後、少しずつIttousai氏直の依頼でガジェットのレビューなどを投稿するようになっていった。

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