ある意味、3年前の仕事環境とまったく違っているのが「録音」「文字起こし」環境だろう。
以前はとにかく高音質で録音することが重要だった。英語の場合にはそれを「Otter」で文字化し、日本語は自分で書き起こす。だとすると、スマホで録音する必然性も薄かった。そのため2019年頃は、ソニーのPCMレコーダー「PCM-A10」を持ち歩くことが多かった。サブの録音機がスマホだ。
だが、コロナ禍になりビデオ会議が中心になると、録音の考え方も変わる。PC/Macの音を、そのままPC/Mac内で録音することが増えたからだ。
そして、同時に導入したAIノイズキャンセルソフト「Krisp」で、さらに環境が変わる。
以前にも記事化しているが、KrispはAIによって声以外のノイズを軽減し、クリアーな音での記録を実現するもの。タイプ音などをキレイに消してくれるので、録音の聴き直しが非常にやりやすくなった。
結果として、2020年6月くらいから、PC/Macの中の音はもちろん、外の音も、取材で録音する場合には「Krispを通してPC/Macで録音する」ことが増えた。「MacBook Proの出番が増えた」と先ほど説明したが、その理由はここにある。
では今後どうなるのか?
そこで出てきたのが、前回ご紹介した「Razer Seiren BT」である。これは簡単にいえば、「単体でAIノイズキャンセルの機能を持つBluetoothマイク」。ペアリングした機器で使えば、PC/MacであろうがスマホであろうがiPadであろうが、タイプ音やノイズのないクリーンな音で録音が可能になる。
今後もビデオ会議については、PC/MacでKrispを介して録音することに変わりはないと思う。
だが、リアルの取材については、Razer Seiren BTをマイクとして使い、iPad Proにペアリングして録音することが多くなる、と予想している。このセットが最も機動力が高く、通信も常にできる形だからだ。
どちらにしろ、スマホがサブの録音機であり続けることに変わりはない。
なお、録音データは2000年以降のもの全てが、OneDriveと自宅NASにミラーリング保存されている。容量はどのくらいかな、と思ったが、95GBくらいだった。全くたいしたことがない。死ぬまでこの仕事をしても、300GBには到達しそうにない。
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