前回は1つのセンサーを使って、センサーを通過したら方向を変えるという手法を紹介しました。今回は2つのセンサーを使って模型の動きを制御してみます。
「センサーを通過したあとに反転する」という環境に、もう1つセンサーを追加して実現します。まずは小手調べに、前回と同様に「センサーを通過したら反転する」というやり方を進めてみます。プログラムの構成は簡単で、if分による条件を加えるだけでOKです。
前回のプログラムは以下のようなものでした。
#!/usr/bin/env python # -*- coding: utf-8 -*- from gpiozero import Motor from gpiozero import MCP3008 import time motor = Motor(forward=20, backward=21) sen01 = MCP3008(channel=0) speed = 0.18 # 模型のスピード time.sleep(1) try: while True: rail1 = round(sen01.value * 100,2) print (rail1) time.sleep(0.01) #センサーの読み取り間隔 if rail1 >= 50: # フォトセンサーの返り値が50以上であれば反転 motor.stop() time.sleep(2) motor.backward(speed) time.sleep(10) motor.stop() time.sleep(2) else: motor.forward(speed) except: KeyboardInterrupt motor.stop() movetest2.py
この中の「if rail1 >= 50: # フォトセンサーの返り値が50以上であれば反転」という箇所に続いて、もう1つのセンサーを越えたら反転するプログラムを記述していきます。なおもう1つのセンサーはMCP3008の2つ目のセンサーに取り付けますので、定義を1つ追加します。
ところで、実際に走らせてみる前に、センサーが動いているかチェックしておきましょう。
#!/usr/bin/env python # -*- coding: utf-8 -*- import time from gpiozero import Motor from gpiozero import MCP3008 motor = Motor(forward=20, backward=21) sen01 = MCP3008(channel=0) sen02 = MCP3008(channel=1) speed = 0.25 #模型のスピード motor.forward(speed) try: while True: rail1 = round(sen01.value * 100,2) rail2 = round(sen02.value * 100,2) print (rail1, rail2) time.sleep(0.1) except: KeyboardInterrupt motor.stop() print("\nEnd") sensortest.py
9行目の「sen01」は前に設置してあるセンサーで、10行目の「sen02」が今回追加したセンサーです。センサーを線路へ設置する方法も、第56回で解説したものと同様です。
このプログラムを動かすと列車が走り出し、センサーの上を通過するのと同時に値が上がります。
なお、鉄道模型の種類に応じて走るスピードが違います。11行目に定義している模型のスピードを、固体に合わせて変更してください。筆者が所有しているKATOのキハ52とキハ30では異なり、キハ30がフライホイール搭載動力ユニットのためか、少し余計に負荷をかけないと動きませんでした。
これを踏まえて、2個のセンサーの間を行き来するようにしてみました。1個の時のプログラムの応用でセンサーを感知したら停止、そのあと逆に回って次のセンサーに来たらまた反転、というようにしています。
#!/usr/bin/env python # -*- coding: utf-8 -*- from gpiozero import Motor from gpiozero import MCP3008 import time motor = Motor(forward=20, backward=21) sen01 = MCP3008(channel=0) sen02 = MCP3008(channel=1) speed = 0.25 # 模型のスピード time.sleep(1) try: motor.forward(speed) while True: rail1 = round(sen01.value * 100,2) rail2 = round(sen02.value * 100,2) print (rail1, rail2) time.sleep(0.01) #センサーの読み取り間隔 if rail1 >= 50: # フォトセンサーの返り値が50以上であれば反転 motor.stop() time.sleep(1) print("sensor1 detected") motor.backward(speed) time.sleep(8) motor.stop() time.sleep(1) if rail2 >= 50: motor.stop() time.sleep(1) print("sensor2 detected") motor.backward(speed) time.sleep(8) motor.stop() time.sleep(1) else: motor.forward(speed) except: KeyboardInterrupt print ("\nStop") motor.stop() movetest2.py
ここでは周回軌道の両脇にある直線部分2つにセンサーを設置しています。前回のように反転してから10秒進むだけだと2つ目のセンサーを通り越してしまい、反転してくれません。そこで調節して8秒にしました。
次回ではポイントを利用し、センサーで感じたらスイッチバックするように動かしてみます。
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