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ラズパイで「Windows 10 on ARM64」を動かす(オーバークロック編)名刺サイズの超小型PC「ラズパイ」で遊ぶ(第39回)

» 2021年04月16日 07時00分 公開
[岩泉茂ITmedia]

 前回はラズパイでWindows 10を動かすためのインストール方法を解説しました。今回は、キビキビとWindows 10を動作させるために、ラズパイをオーバークロックしてみましょう。

 第37回でも解説した通り、Raspberry Pi OSでのオーバークロックは「microSDメモリカードを差したときに表示されるbootディレクトリにある『config.txt』にオーバークロックするための設定を書く」というものでした。実はWindows 10でも同じで、microSDメモリカードにはbootディレクトリがあり、そこにあるconfig.txtに周波数などの設定を書き込めばOKです。

 ただしそれではひと言で終わってしまいますので、UEFIでのオーバークロック設定について解説していきます。

UEFIでのオーバークロック設定

 ラズパイの電源を入れたら、キーボードでEscキーを連打します。するとラズパイのロゴが表示されたあと、UEFI画面が表示されます。この中の「Device Manager」にカーソルを合わせてEnterキーを押します。

 次に表示されるメニューから「Raspberry Pi Settings」を選びます。続いて「CPU Configuration」を選びます。するとCPUのクロック設定が表示されますので、「Default」とあるところにカーソルを合わせてEnterキーを押すと、サブメニューが表示されます。ここから「Custom」を選びます。すると「CPU Clock Rate」がブランクで表示されるので、キーボードで「2000」と入力してEscキーを押します。

 これで設定は終了です。Escキーを押すと設定内容を保存するか聞かれますので「y」キーを押します。するとトップメニューに戻りますので「Reset」にカーソルを合わせてEnterキーを押します。するとラズパイが再起動します。

Raspberry Pi ラズパイの電源を入れ、このロゴが見えるときまでEscを連打する
Raspberry Pi UEFI画面が表示されるので「Device Manager」を選択
Raspberry Pi 「Raspberry Pi Settings」を選択
Raspberry Pi 「CPU Configuration」を選択
Raspberry Pi 「Custom」を選択
Raspberry Pi 「CPU Clock Rate」に「2000」と入力
Raspberry Pi 「y」キーを押す

 Windowsが起動したら、画面左下のWindowsアイコンをクリックして「設定」−「システム」で設定画面を表示させます。左カラムのメニューで「詳細情報」をクリックして、CPUが2.0GHzで動いているか確認しておきましょう。

Raspberry Pi 駆動周波数が2GHzになっていることが確認できた

 なお筆者のテストでは、最高2.147GHzまで上げた状態で動いていることを確認しました。ただしオーバークロックは本体を破壊する可能性もありますので、くれぐれも慎重に行ってください。

Raspberry Pi 「2147」と設定したので「2.15GHz」の表示になっている

 なお、インストールしたWindows 10イメージのバージョンによっては、UEFIの設定がconfig.txtに反映されないものがあるようです。その際にはmicroSDメモリカードをPCに差して、bootディレクトリにあるconfig.txtを開き、次のように電圧と周波数を記述してください。

over_voltage=6
arm_freq=2147

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