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レベル4の自動運転を実装するのに必要なものとは何か?プラマイデジタル(3/3 ページ)

» 2022年05月06日 11時04分 公開
[野々下裕子ITmedia]
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新しいサービスに対するアレルギーをどうなくすか

 さらに会場では、モビリティに加えて顔認証による乗車チェックやキッチンカーでの買い物、乗車中にタブレットを使って遠隔にいるスタッフがバーチャルキャラクターで案内するといったサービスも併せて検証している。

 これらは一般向けの体験乗車会でも公開された。新しいテクノロジーを社会実装するには利用者のアレルギーをなくすのは大事であり、大阪の人たちは新しいもの好きが多いといっても、自動運転に抵抗感を持つ人も少なくないはずなので、そうしたマイナス面を少しでも早く解消しようという動きはいいことだと思えた。

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 そして一般の人たち以上に、将来自動運転サービスの現場を担うOsaka Metroの職員たちの抵抗感をなくそうとしていることも分かった。Osaka Metroはオンデマンドバスの運行や電動自転車・キックボードのレンタルなど、大阪市内で都市型MaaSの運用を進めており、さらに万博を通じて次世代モビリティの運用ノウハウを蓄積し、大阪市内での実装につなげようとしている。

 自動運転技術が当たり前になった時に、これまでの運転手の仕事をどう変えることになるのかを考えてもらうためにも、今回の実証実験では自動運転タクシーの運転をOsaka Metroの職員が担当している。

photo タクシーの運転はOsaka Metroの職員が担当

 実証実験のテーマには“レベル4を見据えた自動運転車両を核とした”とあるが、現在サンフランシスコで行われているような完全無人のタクシーサービスを実現することはOsaka Metroでは考えていない。むしろ、運転手が同乗することで実現できる新しいサービスを模索しようとしている。

 日本ではこのような技術の上に人がどう関わっていくかを考えることが、自動運転の実用化を進める上でとても重要なのかもしれない。

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