「iPhoneにタイヤをつけたようなクルマ」と表現されるTesla。IT・ビジネス分野のライターである山崎潤一郎が、デジタルガジェットとして、そしてときには、ファミリーカーとしての視点で、この未来からやってきたクルマを連載形式でリポートします。
今回は、納車から9カ月が経過した我がModel 3について棚卸し的なレポートをお届けします。また、日本でも受注を開始したModel Yについても触れています。
大きなトラブルはなく8567kmを走行しました(原稿執筆時)。納車前、ネットに上がった様々なModel 3のトラブル報告に接し、身構えていただけに拍子抜けの感もあります。もちろん、トラブルなどない方がいいに決まっています。ただ、電子的なトラブルは何度か経験しています。
Model 3がスリープから復帰した際、15インチのスクリーンがフリーズして無反応になることがたまにありますが、再起動で問題なく復活します。「走行中にフリーズしたら制御できなくなって大変なことになるのでは?」と心配する向きもあるかとは思いますが、フリーズしたままでも、停まる曲がるといった基本的な運転制御に影響はなく、普通に走行可能です。そのため、スクリーンがフリーズしたら減速して路肩に駐めるなどの対応ができます。
海外のユーザーが、走行中にModel 3のスクリーンをハンマーでたたき割り、最後にはパネルをバリバリと剥がしてしまう動画が話題になりました。スクリーンが完全に失われた状態でもクルマは何事もなく運転可能だったのには驚かされます。破壊されたスクリーンは修理され、1477.2ドルで元通りになっています。
8567kmのエネルギー消費は、1225kWhで平均146Wh/Km(6.8km/kWh)でした。総電力料金はざっくり3.5万円〜4万円といったところです。家充電、出先の急速充電・無料充電、スーパーチャージャー、後述する燃料費調整単価変動の影響など、異なる料金体系の電力が混在しているので正確な金額はわかりません。
ハイオクで燃費が約9〜10km/Lだった前車に乗り続けていたら、ガソリン価格高騰の影響をモロに受け、エネルギーコストは15万円程度になっていたことが予想されます。約11万円強が節約できた計算になります。
ただし、エネルギー価格高騰により電気代の燃料費調整単価が上昇しているので、自宅充電が主の筆者の場合このありがたみは今後、どんどん薄れてくるでしょう。ちなみに、筆者が契約している東急でんきの場合、3月に1kWhあたり1.83円だった燃料費調整単価は、5月には2.74円に値上がっています。
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