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イーロン・マスク氏、Twitter買収取りやめ通知 Twitterは提訴の構え

» 2022年07月09日 07時59分 公開
[ITmedia]

 一旦は米Twitterを買収することで合意したイーロン・マスク氏が、買収取引を終了しようとしている。7月8日(現地時間)に米証券取引委員会(SEC)に提出された、マスク氏の弁護士がTwitterのビジャヤ・ガッデCLO(最高法務責任者)に宛てた書簡で明らかになった。

 sec SECに提出されたTwitterのCLO宛書簡

 この書簡でマイク・リングラー弁護士は、Twitterが買収取引の契約上の義務を順守していないと非難した。

 マスク氏は、Twitterが公表しているmDAU(収益対象になる日間アクティブユーザー数)に占めるスパムアカウントの量が約5%だというTwitterの主張の真偽を疑っており、それを証明するためのデータの提供を求めた。これに対し、Twitterはfirehoseへのアクセスを認めたが、リングラー氏は「Twitterは情報提供に失敗または拒否した」と主張した。

 リングラー氏は「mDAUに占めるスパムアカウントの量についての分析は継続中だが、すべての兆候はTwitterが公表していることが虚偽であるか、実質的に誤解を招く可能性があることを示している」としている。

 また、契約ではTwitterは事業方針変更前にマスク氏の同意を得ることになっているが、マスク氏に無断で複数の幹部を解雇したことは違反だとも主張した。

 契約では、買収が完了できなかった場合、マスク氏はTwitterに10億ドル支払うことになっているが、「重大な悪影響」がある場合は例外であり、上記の違反はその例外だと主張している。

 これを受け、Twitterの取締役会長を務めるブレット・テイラー氏は「Twitterの取締役会は、マスク氏と合意した価格と条件で買収取引を完了することを約束しており、契約を実行するために法的措置を講じる予定だ。デラウェア州衡平法裁判所で勝訴すると確信している」とツイートし、パラグ・アグラワルCEOはこのツイートをリツイートした。


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