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野球にAIを持ち込んだらどうなる? AI+スポーツのジムをオープンしたKnowhereが考えていること(2/2 ページ)

» 2022年08月10日 17時01分 公開
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なぜKnowhereは野球に注力するのか?

 Knowhereの代表である伊藤久史さんは、もともと将棋のAIである「HEROZ」に関わっていた人です。将棋がAIの活用で、しかもすごいスピードで将棋の世界を変えていく様子を、まさに現場で味わった人。そして、その経験からAIの活用がスポーツの世界でも可能なのではないかと考えたそうです。

 「私自身がもともとスポーツが大好きで、AIとスポーツということを改めて考えたときに使えるデータのとりやすさという点で野球とゴルフに注目しました。ただゴルフはけっこうすでにやっているみなさんがいて、野球はほとんどいなかった。これはやるべきだと思ったんです」(伊藤さん)

すでにプロ野球選手も利用しているが、親子利用での効果も大きい

 オフシーズンのプロ野球選手も見込めるのではないかと始めたKnowhere。実際、すでにたくさんのプロ野球選手も利用しているといいます。また、ジムの利用と常にデータを取っていることの効果は親子連れの会員でも効果が出ているそうです。

 「私は高校生までスポーツをやっていたのですが、怪我が原因で選手としては続けることができなかった経験を持っています。その頃から、もっと科学的な練習があればいいのと思っていました。親子の会員さんだと最初のうちはどうしてもお父さんがあれやこれやと言うのですが、やっていくうちに親子でデータを見るようになっていくという感じに変化していくんです。これはやっていてよかったと思ったことです」(伊藤さん)

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Knowhereはデータをどう生かしていくのか?

 Knowhereのジムで取得したデータを個人情報を保護した上で、Knowhere側が活用していいということになっています。今はまだまだデータの蓄積のフェーズではありますが、そのデータを生かしていくアプリの開発にはすでに着手しているそうです。

 「プロも含めて野球でのデータ活用は広がってきてはいます。だんだんプレイヤーや指導者層もなじんできたという感じもあります。ただ、それこそ将棋と比較するとデータ量としてまだまだ足りていません。例えばですが、超有名選手の若い時のデータなんかがあれば、それが育成とか、プロのスカウト向けなどへの価値あるデータにもなっていくわけです」(伊藤さん)

 Knowhereが目指しているのは、そう簡単なことではありません。そもそも価値のある野球のデータを取得するだけでも、Knowhereの外苑前野球ジムのような設備が必要です。ただ、AIの知見のある伊藤さんのような人が、データと関わっていくことは、スポーツの世界に有用であることはほぼ確実です。

 「それなりにハードなことに挑戦しているという自覚はあります(笑)。でも未知ではあるけど、来るべき未来は明るいとしか思えないので、そこに賭けたいんです」(伊藤さん)

photo 開発中のアプリ。Knowhereのアプリはスマホ1台で身体の動きを解析、ボールの回転数などのトラッキングデータの算出できるサービスとして開発中。また外苑前ジムなどで取得したデータを元にしてAIがプレイヤーに対してフィードバックする機能も実装する予定となっている
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