COCOAの機能停止について、ネット上の反応は「入れたけど一度も使わなかった」「使っている人を見たことがない」「最初から要らなかった」など概ね冷淡だ。13日夜にはTwitterで一時「アンインストール」がトレンド入りした。なお河野大臣は今後COCOAの問題点を洗い出すためアプリ内でアンケート調査などを行う考えで「まだアンインストールはしないでほしい」と呼びかけている。
一方でネット上には機能停止に疑問を呈したり、惜しんだりする声も少なくない。「陽性者の外出が許されるようになる状況で、COCOAはむしろこれから必要なのでは」「これから何をチェックすれば良いのか分からない」。また「COCOAログチェッカーが使えなくなるのは残念」という声も目立った。
COCOAログチェッカーは、COCOAから出力できるログをコピー&ペーストすると、自分の周りに陽性者がどれだけいたのかチェックできるWebツール。COCOAは「濃厚接触」に着目した作りのため、陽性登録者と1m以内かつ15分以上の接触でないと通知を出さないが、COCOAログチェッカーはログに残っている全データを参照し、15分に満たない接触や1m以上離れていた場合でもカウントする(スマホのBluetoothが届く10〜30mの範囲)。
このためCOCOAログチェッカーの結果とその日の行動と照らし合わせ、感染リスク回避のために活用している人も多くいた。COCOAログチェッカーを開発したエンジニア・河原圭佑さんは13日、Twitterで「今日のニュース(COCOA機能停止)の後にエゴサしてみたら『COCOAログチェッカーが使えなくなるので残念』など、おっしゃってくれている方が想像より多くて嬉しかったです。 ちなみに、去年の8月から公開してから今日までのアクセス総数は140万を超えていました」と報告。COCOAが機能停止するまでログチェッカーの運用は続けるという。
COCOAログチェッカーはCOCOAだけでは分からない感染リスクを視覚化し、利用者が接触確認アプリに求める多様な機能の一例を示した。厚生労働省もCOCOAのWebサイトからログチェッカーにリンクを張るなど支援していた。
ただし、こうしたツールもHER-SYSやCOCOA、それを連携・運用する仕組みがなければ生まれなかった。COCOAの経験が糧になったのか、21年に登場した「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」はそれなりに高い評価を受けている。COCOAの開発や運用を通じて得た知見、ノウハウを「次につなげる」ため、厚生労働省とデジタル庁には詳細な総括を期待したい。
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