個人的に筆者が感心したのは、Proでの「高精度2周波GPS」がかなり効果的であったことだ。
高精度2周波GPSとは、スマホを含む多くのGPS対応機器で使われている「L1」に加え、「L5」という電波の両方に対応した機能のこと。より多数の衛星を捕捉可能になるので、位置測位の精度が上がる。
L1+L5に対応したスマホはこれが初めてではなく、いくつかのハイエンドスマホで採用されている。だが、あまり気にしたことはなかったのではないだろうか。
今回はちょうどいい機会なので、都心の少し細い路地を歩いて精度をチェックしてみた。
すると、ちゃんと2周波GPS対応のiPhone 14 Proは精度の向上が確認できた。歩いた道からずれにくい、というはもちろんなのだが、道のどちら側を歩いていたのかも、ほぼ正確に読み取っている。


【クリックで拡大】左から、iPhone 13 Pro Max、iPhone 14(ここまでL1のみ)、iPhone 14 Pro(L1+L5の2周波対応)で移動ログを取った。実際に歩いた道に一番近く、建物に食い込んでいないのはiPhone 14 Proのみだ日本の場合、準天頂衛星システム「みちびき」が頭上を飛んでおり、そこで2周波GPSが生きる。だから、ビル街や天頂がひらけている森などでは、位置測位の精度向上が期待できる。
ここにあげた「Pro」の機能は、どれもそれだけで購入を決めるようなものではないかもしれない。とはいえ、そういうものが積み重なっているのが「ハイエンドスマホ」ではないか、とも思う。
2022年のiPhoneが高いことは否定し得ない。日本の場合、他国に比べ携帯電話事業者を介した割引額が小さくなったこともあり、「このくらいの性能アップではまだ買いづらい」と思う人はいると思う。そこを無理に飛び越える魅力とは言いづらいだろう。
だが「毎年変わる」「いつか買い換える」スマホとしてみれば、2022年のiPhone 14も妥当な路線ではある。
そこで「来年は大きなジャンプがありそうだから待つ」という判断もあっていいし、「数年後はさらに進化しているから今年のモデルを選ぶ」という判断もあっていい。
もちろん「iPhone以外を選ぶ」という選択肢もある。
ただ一方で、アップルがエコシステムとして提供する利便性は高まっており、そのことがもっとも大きな価値になっている、という部分もあるわけで、この辺がユーザーの悩みどころだろう。
筆者のおすすめは、「数年前のiPhoneを使っている人は買い替えていい」というところだ。
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