ところで最終的に筆者が購入したのは、試用した「エルゴヒューマンプロ」ではなく、ヘッドレストのない「エルゴヒューマンベーシック」。というのも前者のヘッドレストは可動範囲が狭く、のけぞるような姿勢を取ることが多い筆者にとって不要だと感じたからだ。
この「エルゴヒューマンプロ」のヘッドレストは構造上取り外しができず、実機を試さずに購入していれば困り果てていたことは必至で(しかも違和感を覚えるようになったのは使い初めてすぐではなく数日経ってから)、試用したことによってよりマッチした製品を選択することができた。
およそ1カ月半にわたっての試用で、最終的に購入した「エルゴヒューマンベーシック」の費用にプラスして約2万円を支払ったわけだが、絞り込んだ候補をそれぞれ実環境で使った上での結論ゆえ、納得感はかなりのもの。高価な製品を注文したあとによくある「別の製品にしたほうがよかったんじゃ…?」という後悔に似た感情は全くない。
ところで最終的にCLASに製品を返却するにあたって気をつけたいのが、返却日の指定。1週間以上先のスケジュールしか指定できないので、期限ギリギリになって申し込もうとすると、もう1カ月ぶん余分な料金が発生することになる。返却予定が決まったら、なるべく早く申し込んだほうが良いだろう。
CLASでの試用を経て筆者がチェアの購入に至るまでの経緯は以上だが、このCLASをはじめ、家具のサブスク事業者を利用するにあたってのポイントとなるのは、やはり製品のラインアップ。
今回使用したCLASは、オフィスチェア/ビジネスチェアをラインアップしている業者の中では品揃えは多いほうだが(筆者が試して以降も、アーロンチェアと同じHermanMillerのアルミナムチェアなどが追加されている)、とはいえ国内の著名メーカーのオフィスチェアを何十種類も取り揃えているわけではない。
そもそもこれらのサブスクプランは、期間を区切ってテレワークのためにスペースを作ったり、仮設オフィスを用意するのが主な利用目的のはずなので、筆者のように購入にあたっての下調べとして使うユーザは限定的と考えられる。そうなると必ずしも著名メーカーの高級チェアにこだわる必要はなく、ラインアップが少ないのは当然といえる。
ただ、もう少しラインアップが多ければ、筆者も今回の2台だけに限らず、この機会に3台、4台と続けて試していたのは間違いなく、そうしたニーズは潜在的にありそうな気もする。チェアの具体的な型番すらなく、単に「オフィスチェア・肘つき」といった形でしか製品を用意していない業者もある中、高級チェアの名前を前面に出す業者が増えてくれることを願いたい。
ともあれ、実売10〜20万円はするにもかかわらず、当たりを一発で引くのが難しい高級チェアの導入において、実環境で一定期間試用できるメリットは絶大。人気製品ともなると順番待ちになることもあるようだが(今回のアーロンチェアも発注時は残数1だった)、もし自宅が運よくサービスエリア内であれば、積極的に利用してみてはいかがだろうか。
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