ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >

2022年上期に手当・報酬アップを発表したIT関連企業まとめ 続く円安、各社の対応は

» 2022年09月30日 15時28分 公開
[吉川大貴ITmedia]

 2022年も4分の3が終わろうとしている。会計年度が4月から始まる会社の場合は、上期もそろそろ終わりだ。ここ数カ月は円安が続き、商品の値上げに踏み切る企業も増えた。一方で給与は上がらず、SNSでは不満の声も多い。

 そんな中、戦略的投資として社員の報酬アップや手当の増額を発表する企業も出てきている。この記事では、4月以降に報酬アップを発表したIT関連企業の情報をまとめる。

カプコンは正社員の平均年収を30%増額

 カプコンは4月に報酬制度を改定し、正社員の平均年収を30%増額した。従業員が働きやすい環境作りの一環という。賞与の支給についても、業績連動性をより高めた仕組みを導入するとしている。

 参考記事:カプコン、正社員の年収を30%増額 22年度から 従業員が働きやすい環境を整備

コーエーテクモは基本給を平均7万3000円アップ

 コーエーテクモホールディングスは4月、国内のグループ各社に所属する正社員の基本給を平均7万3000円引き上げると発表した。主要なグループ会社に入社する大卒新入社員の初任給も、23万4000円から29万円に増やすという。

photo コーエーテクモによる給与増額の詳細

 引き上げの背景については、業績が好調で、同月に始まる中期経営計画で目標としていた2025年の利益をすでに達成できる見込みだったと説明している。

 参考記事:コーエーテクモ、基本給を平均7万3000円アップ 大卒初任給も29万円に

バンダイは基本給を平均5万円引き上げる新報酬制度を採用

 バンダイナムコエンターテインメントは4月、基本給を平均5万円引き上げる新しい報酬制度を採用した。初任給も従来の23万2000円から29万円に引き上げ。メタバースの開発など、多分野における人材の活躍推進が必要として制度を改定したという。

 同月にはグループ会社のバンダイとBANDAI SPIRITSも新報酬制度を採用。持ち株会社のバンダイナムコホールディングスも既存の制度を改定した。

 参考記事:バンダイナムコエンターテインメント、基本給を平均5万円引き上げ 初任給は29万円に

 バンダイ、夏のボーナス平均59万円増額 新報酬制度と好業績で 年収は平均110%に

サイボウズはインフレ手当支給

 サイボウズは7月から8月にかけて、「インフレ特別手当」を直接雇用している従業員に支給した。金額は月の就業時間に応じて6万円から15万円程度。「2021年の給与決定時の給与相場から急激なインフレが起きたため、一時的な対応として決定した」(同社)という。

 参考記事:サイボウズ、物価上昇で社員に特別手当 最大15万円

インフレ手当はノジマも支給

 ノジマは7月の給与支払いに合わせて、物価上昇手当の支給を始めた。正社員と契約社員の計3000人程度に毎月1万円を支払っているという。「従業員が安心して仕事に向き合い、客に満足してもらえるパフォーマンスを発揮できる環境を整えるため、今回の手当支給に至った」(ノジマ)という。

 参考記事:月1万円を社員に支給 ノジマ、物価上昇で特別手当

はてなは在宅勤務制度を刷新、10万円を支給

 はてなは8月、正社員・契約社員に10万円の一時手当を支給すると発表した。在宅勤務の支援制度を刷新したことに伴う対応という。

 旧制度では新しく入社した正社員・契約社員が在宅勤務の環境を整えられるよう、一時手当として2万円を支給していたが、新制度で12万円に増額。差額を埋めるとして、既存の社員にも8月中に手当を支払ったという。

 参考記事:10万円を社員に支給 はてな、在宅勤務の制度刷新で

ニコンは社員の年収を最大20%アップ

 ニコンは9月29日、従業員の年収水準を、平均約3%・最大約20%増やすと発表した。人材確保・育成に向けた戦略的投資という。10月から業績連動型の賞与水準をアップ。23年4月以降に入社する新入社員を対象に、初任給を1〜2万円引き上げる。これに先駆け、7月には入社6年目までの社員の月給を最大2万円上げたという。

photo ニコンによる年収引き上げの詳細

 参考記事:ニコン、社員の年収を最大20%アップへ 採用数は倍に

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.