日産自動車は10月11日、ロシア市場での事業から撤退すると発表した。子会社のロシア日産自動車製造(ロシア日産)の全株式を、モスクワの自動車・エンジン中央科学研究所(NAMI)に譲渡する。売却金額は1ユーロで、約1000億円の特別損失を計上予定。
日産は、サプライチェーンの混乱によりロシアのサンクトペテルブルク工場での生産を3月に停止していた。その後現在まで、外部環境が変化する兆しが見えないことからロシアからの事業撤退を決めたという。なお、日産は今後の6年の間、ロシア日産と同社の事業を買い戻せる権利を持ち、行使が可能としている。
ロシア日産の事業は今後、NAMIの乗用車プロジェクトのために活用される。サンクトペテルブルクにある日産の生産・研究開発施設と、モスクワにある販売・マーケティングセンターは、新名称で運営される予定。現地の従業員は1年間雇用が保証される。
日産の内田誠社長兼CEOは「日産を代表して、長年にわたりビジネスに貢献してくれたロシアの仲間に感謝致します。ロシア市場で事業を続けることはできませんが、われわれの仲間を最大限支援できる解決策を見つけることができました」とコメントしている。
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