メタバースの実用化において中国で最も先行しているテンセントが、NFTマーケットプレイス「幻核」の運営停止を発表し、市場に動揺が走ったのは今年8月のことだ。
グローバルでメタバースが最初に注目されたのは、米ゲームプラットフォーム「ロブロックス(Roblox)」が21年3月にニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場したことがきっかけだった。
Robloxは、自らゲームを作って皆で遊べるのが特徴で、メタバースの実現に最も近い企業の一社といわれているが、テンセントは19年にRobloxとの提携を発表。20年のシリーズGでも出資を行い、中国での事業に向けて合弁会社を設立するなど、Facebookがメタバースシフトを発表する前から、着々と布石を打っていた。
テンセントグループで人気ゲーム『フォートナイト』の開発元であるエピック・ゲームス(Epic Games)も21年4月、メタバースの構築に向けソニーなどから10億ドル(約1470億円)を調達し、テンセントのメタバースへの野心が鮮明になった。
NFTへの布陣を構築するのも早かった。「幻核」は中国で初めてのNFTマーケットプレイスとして21年8月にオープン。テンセントのブランド力を背景にインタビュー番組「十三邀」や人気アニメ「非人哉」など著名IP(知的財産)とのコラボが多く、最大級のNFTマーケットプレイスと評価されていた。
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