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日本のWeb3推進、「税制が問題だ」とJBA加納裕三氏 保有トークン含み益課税撤廃、20%申告分離課税化求める

» 2022年10月27日 12時25分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 政府が骨太の戦略に盛り込んで推進を決めた「Web3」。しかし本当に推進するには「税制が問題だ」──。日本ブロックチェーン協会(JBA)の加納裕三代表理事(暗号資産交換業者bitFlyerの創業者)が、10月26日に幕張メッセで開催した「ブロックチェーンEXPO」の講演でこう話した。

 暗号資産の税制は、個人においては最大税率55%の雑所得扱いであり、法人においては保有しているトークンの含み益に対して課税が発生することが問題視されている。特にWeb3推進においては、保有トークンへの課税を嫌い、シンガポールでの起業を選ぶ起業家の増加が課題となっていた(記事参照)。

 加納氏は、自民党のデジタル社会推進本部web3プロジェクトチーム(PT)に対し、次のような暗号資産に関する税制改正を要望したと話した。

  1. 暗号資産を発行・保有する法人への期末含み益課税の撤廃
  2. 申告分離課税(20%)、損失の繰越控除の導入
  3. 暗号資産同士の交換時における課税の撤廃

 自民党のweb3PTには、IT系企業などでつくる経済団体の新経済連盟や、暗号資産交換業者や証券会社が加盟する日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)も税制改正の要望書を出しており、保有トークンの含み益課税の撤廃や申告分離課税化については共通している。

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