「プロダクトマネジメント ―ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける」(メリッサ・ペリ著)がおすすめの一冊です。プロダクトマネジャーの役割は、ビジネス価値と顧客価値の双方を最大化することです。セールス主導で顧客に愛されるプロダクトは生まれませんし、テクノロジー主導では買い手のいないクールなものをただ大量に作ることになります。
ビジョナリー(先見性のある)なカリスマが世の中にたくさんいるわけではないし、時流や会社のフェーズにフィットしてはじめて価値を発揮するので再現性が極めて低い。それをサステナブルに実現する仕組みであり役割こそが、プロダクトマネジメントであり、プロダクトマネジャーであると考えています。
同書は、プロダクトマネジメント関連書籍の中でも、誇張や飛躍が少なく、比較的リアルに即した内容です。これからプロダクトマネジャーを目指す人や、さらなるスキルアップを目指す人、プロダクトマネジメント組織の構築に取り組む方などにとっての「教科書」としては、他の書籍の方が好ましい側面もあります。
ただ、この本は誰でも読みやすく、プロダクト開発を行う会社が陥りやすい失敗や、それを避けるための組織づくりについての気付きが得られる内容なのでおすすめです。プロダクト開発に関わる職種の方はもちろん、会社経営に関わる方にもぜひ読んでいただきたい一冊です。
製造業のエンジニアとしてキャリアをスタートし、2008年より楽天株式会社にてプロダクト開発に従事。2018年より株式会社ディー・エヌ・エーにてタクシーアプリのプロダクト責任者を務め、同時に全社のプロダクト強化やプロダクトマネージャーの育成に取り組む。2020年4月よりMoTにプロダクトマネジメント本部 本部長として転籍。2021年10月より現任。
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