江戸時代の白粉の鉛や水銀による被害のような生活に密着した毒や、モルヒネなどの薬物利用、アレルギーに毒生物料理までを一覧できる機会は中々ない。
最終章は「毒とはうまくつきあおう」。毒の全てを見たことで知った様々なことから、私たちはどのように、毒と向き合えば良いのかを問い掛けることで、この展示全体を締める。
そして、しゃれの利いた「毒まんじゅう」などの「毒」展オリジナル・グッズが並ぶミュージアムショップまでが、特別展「毒」。
さすがは国立科学博物館と思わせる、見事な標本や展示方法で、毒をキーワードに生物や地球の不思議から、人間の歴史と生活までを一気に見せる趣向は、もはやテーマ・パークに近い楽しさがあった。どこかに「毒ランド」みたいなものを作ればいいのにと思うほどだったのだが、博物館サイドはこれではちょっと真面目でシリアスになり過ぎてるかも、と思ったらしい。
だから、オフィシャル・サポーターにクイズ・プレイヤーの伊沢拓司氏を招き、入り口には伊沢氏率いる東大発知識YouTuber集団「QuizKnock」からの「毒」クイズが用意されているといった仕掛けも用意した。クイズは展示を見れば解けるものもあるし、展示以外のクイズもある。さらに「秘密結社 鷹の爪」による解説イラストやアニメーションもあちこちに設置するなど、展示を盛り上げる工夫も見られる。ただ、私は不勉強で伊沢氏もQuizKnockも知らなかったこともあって、毒だけで十分面白いのにな、とか思ってしまった。
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