JAXA(宇宙航空研究開発機構)は11月22日、日本初の月探査機「OMOTENASHI」(オモテナシ)の月面着陸を断念したと明らかにした。16日に打ち上げロケットから切り離された後、通信が不安定になっていた。
探査機はアルテミス計画の初号機となるSLS(Space Launch System)ロケットに搭載され、16日にNASAのケネディ宇宙センター(米国フロリダ州)から打ち上げられた。その後分離に成功するもののの、通信が確立できなかった。
JAXAは地上局からの運用を試みたが、通信が回復しないまま探査機は近月点を通過。22日未明に月着陸を断念すると明らかにした。
OMOTENASHIプロジェクトの公式Twitterアカウントは「期待に応えることができずとても残念」「月以遠の宇宙航行機会は貴重なので、引き続き復旧を図り、一部でもミッションを実現したい」としている。
OMOTENASHIは重量わずか12.6kgという世界最小の月着陸機。本来なら打ち上げロケットから分離後、数日で月まで航行し、月面へのセミハード着陸を実証する計画だった。またアマチュア無線のUHF帯の発信器を搭載し、OMOTENASHIからの電波を世界各国のアマチュア無線家に受信してもらう計画だった。
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