今回、5%還元というインパクト重視の還元率を設定したLINEクレカ(P+)だが、そもそもLINEクレカは還元率で試行錯誤してきた。2020年4月に登場したLINEクレカは、初年度3%還元という高還元をうたった。初年度限定とはいえ、店舗や還元上限なく3%を還元するカードはこれまでになかった。
転換点となったのは2年目だ。21年5月からは還元率を2%に引き下げるとともに、LINE Payと組み合わせるチャージ&ペイは0.5%に変更した。下がったとはいえ、2%は業界最高水準の高還元だ。ただし、チャージ&ペイの還元率を下げたことで、いったんLINE Payとの組み合わせを断念したようにも見える。
そして3年目となる22年5月からは、ついに還元率を1%に引き下げた。チャージ&ペイは引き続き0.5%還元だ。LINEアカウントへの利用通知など先進的な仕組みはあれど、高還元でユーザーを引き付けてきたLINEクレカは、他社と横並びの高還元カードに収まった。
こうした還元(リワード)の試行錯誤を踏まえ、現在の考え方を佐野氏は次のように話す。「ユーザーは決してリワードだけでは動かない。お得さだけでなく、そうではない仕掛けも重要だ。われわれが提供していかなくてはいけないのは、自然にスムーズに使ってもらうことだ」
LINE Payが果たすべき役割は「LINEアプリを起点とした決済送金プラットフォーム」だと佐野氏は言う。少なくとも、LINEクレカ(P+)は、4200万ユーザーが利用していながら、このところ存在感が希薄になってきていたLINE Payにとって、起死回生の一手だといえそうだ。
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国税がスマホの“Pay払い”可能に クレカと異なり手数料無料Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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