山形大学は12月8日、南米ペルーのナスカ台地とナスカ市街地付近で新たな「ナスカの地上絵」168点を発見したと発表した。ペルー人考古学者との共同研究による成果で、地上絵は航空レーザー測量とドローンを使った現地調査(2019年6月〜2020年2月に実施)、データ分析などを利用して発見したという。
今回発見した地上絵は紀元前100年〜紀元300年頃に描かれたものと考えられ、人間やラクダ、鳥、シャチ、ネコ、蛇などを模しているという。発見した地上絵のうち、36点はナスカ市街地のすぐ近くにあるアハ地区で見つけたとしている。
発見した地上絵は、地表にある黒い石を除去し、その下の白い砂の面を露出させて作られたという。制作方法は2種類あり、線状に石を除去するタイプと面状に石を除去するタイプがある。今回発見した地上絵のうち前者のタイプは5点のみで、後者のタイプは163点に及んだ。特に後者は10m以下の小型の地上絵で、小道沿いに分布する傾向があった。
アハ地区では2013〜2014年にも、合計41点の地上絵が見つかっていた。2017年にはこれらの地上絵を保護するため、遺跡公園をアハ地区に設立。今回の発見により、遺跡公園には合計77点の地上絵が集中していることが明らかになった。
山形大学の研究チームは、ペルー文化省から正式に調査許可を取り、ナスカ台地で学術調査を世界で唯一実施しているという。2004年から2018年までに190点の地上絵を発見しており、2012年には山形大学ナスカ研究所をナスカ市に設立した。今回の研究成果は、AIを使ったナスカ地上絵の分布調査や保護活動に利用するという。
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