アイルランドのデータ保護委員会(DPC)は1月4日(現地時間)、米Metaに対し、欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)に違反したとして合計3億9000万ユーロ(約547億円)の罰金を科すという最終決定を下したと発表した。また、3カ月以内にGDPRを順守するためにデータ処理業務を改善するよう命じた。
これはDGPRが施行された2018年5月25日の2件の申し立てに関する最終決定になる。FacebookとInstagramの利用規約がGDPRに違反してターゲティング広告の表示に同意することをユーザーに強制しているという申し立てだった。
DPCは欧州データ保護委員会(EDPB)と協議し、MetaがGDPRに違反していると判断し、罰金と改善命令を決めた。(Metaの欧州オフィスがアイルランドのダブリンにあるため、DPCがEUの規制当局の役割を担っている。)
DPCは、ユーザーが自分の個人データをターゲティング広告に使わせるかどうかを選択しやすく改善することを求めているが、選択しやすくなれば多くのユーザーがデータを使わせないことを選び、広告収入が減る可能性がある。
Metaは同日、公式ブログでこの決定に異議を申し立てるつもりだと語った。「われわれのアプローチはGDPRを尊重していると確信しており、今回の決定に失望している」。
DPCは2021年9月にはMetaのInstagramおよびWhatsAppでのGDPR違反で総額2億2500万ユーロの罰金を、2022年11月にはFacebookでの個人データ流出で2億6500万ユーロの罰金をMetaに科している。
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