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2月に値上げするITサービス・ハードウェアまとめ カメラもサブスクもドメイン登録も

» 2023年01月31日 19時04分 公開
[吉川大貴ITmedia]

 2023年も1カ月が過ぎようとしている。年明け以来、賃上げに関する話題が注目を集めている。一方、原因となった物価上昇はまだ続きそうだ。

 もちろん、IT業界も例外ではない。本記事ではITmedia NEWSのニュースなどを基に、2月にIT関連製品やサービス・ハードウェアを値上げする7社の情報をまとめる。

SwitchBot値上げ 最大27%

 スマートホームデバイスを開発・販売するSWITCHBOT(東京都渋谷区)は、物理スイッチをIoT化できる「SwitchBotボット」など13商品を2月1日に値上げする。

photo 値上げ額一覧

 値上げ幅は現行価格から7%〜27%。例えばSwitchBotボットは4180円だったところが4480円になる。価格変更の理由は「世界的な半導体不足と原材料価格・原油価格の高騰、物流費の上昇」としている。

参考記事:SwitchBotシリーズ値上げ 最大27%

Shureのマイク・ヘッドフォンも値上げ

 シュア・ジャパンは、2月1日からマイクやヘッドフォン、イヤフォンなどを値上げする。値上げ幅は現行価格から10%〜15%程度。いずれもコンシューマー向け製品という。

photo 値上げ額・対象商品一覧

 マイクでは「BETA」シリーズや「SM」シリーズが対象に。ヘッドフォンでは「SRH」シリーズが対象になる。値上げの理由については「昨今の世界的な原材料費の高騰、物流運搬費の上昇、及び歴史的な円安相場などにより、従来の価格を維持することが極めて困難な状況」としている。

ソニーも値上げ テレビ・デジタル一眼など280商品以上

 ソニーマーケティングは、テレビやデジタル一眼カメラなど280商品以上を値上げする。平均で現行価格から約14%引き上げる。

値上げ対象商品の一部

 カメラは「α7 IV」や「α7S III」といったミラーレス一眼、「RX100 VII」などのデジタルカメラが対象。テレビは「XRJ-48A90K」などのブラビアシリーズなどを値上げする。他にもワイヤレスイヤフォン、ブルーレイディスクレコーダー、サウンドバーなども高くなる。

 法人向け商品も値上げ。業務用ディスプレイや業務用カメラ「CineAlta」などの価格を引き上げる。価格変更の背景については「昨今の外部環境の影響を受け、原材料費、製造・物流コストなどが高騰していることを踏まえた」としている。

参考記事:ソニー製品また値上げ ミラーレス一眼やワイヤレスイヤフォンなど280点以上 録画用BDも

お名前.comなど、ドメイン登録・レンタルサーバに「サービス維持費」

 GMOインターネットグループは、「お名前.com」「ムームードメイン」などのブランドで提供するドメイン登録サービスやレンタルサーバを値上げする。同月以降の請求分に「サービス維持調整費」を加算。現行の月額料金(税別)から10〜20%程度の値上げになる。

 加算の時期はサービスごとに異なる。例えばお名前.comのレンタルサーバでは2月1日の請求から10%を加算する。

 「昨今の急激な国内電気料金高騰、為替円安進行、世界的な半導体不足などの背景を踏まえ、コスト削減に取り組み、提供価格の維持に努めてきたが、自助努力だけではコスト増を吸収できない状況になった。甚だ不本意だが、サービス品質の維持および向上を目的として、サービス維持調整費を加算する」(GMOインターネットグループ)という。

参考記事:お名前.com値上げ、ドメイン登録やレンタルサーバなど 現行料金に10〜20%の「サービス維持費」加算

スポーツ動画配信「DAZN」も値上げ

 DAZN Japan Investmentは、スポーツ動画配信サービス「DAZN」の月額料金を値上げする。2月14日に、従来の月額プランを「DAZN Standard」に改称。価格は現行の3000円から3700円に変える。

 年間プランも価格改定。一括払いは「DAZN Standard 年間プラン(一括払い)」に名称を改め、2万7000円から3万円に。月々払いは「DAZN Standard 年間プラン(月々払い)」に変え、月額2600円から3000円に上げる。ただし、同日から月額980円の新プラン「DAZN Global」も提供する予定。

参考記事:DAZN、また値上げ 2月から月額3000円→3700円に 1年で利用料金は約2倍に 980円の新プランも

ドコモユーザー“大勝利”再び? 「DAZN for docomo」値上げ、でも既存ユーザーは価格据え置き

「Amazon Music Unlimited」も値上げ

 アマゾンジャパンは、音楽配信サービス「Amazon Music Unlimited」の非プライム会員向け月額料金を、2月21日から値上げする。個人プランは980円から1080円になる。

 学生プランは480円から580円に、ファミリープランは1480円から1680円(年額なら1万4800円から1万6800円)に値上げする。

参考記事:「Amazon Music Unlimited」非プライム会員向けも値上げ

「Xbox Series X|S」も値上げ 5000円アップ

 日本マイクロソフトは、ゲーム機「Xbox Series X」と「Xbox Series S」を2月17日に値上げする。それぞれ5000円引き上げる。「マイクロソフトでは、現地価格の影響を定期的に評価し、地域間の合理的な整合性を確保している。今回の変更はその評価に基づき、調整した結果」という。

「Xbox Series X」(左)と「Xbox Series S」(右、いずれもXbox公式サイトから引用)

参考記事:「Xbox Series X|S」値上げ それぞれ5000円アップ

逆に値下げする企業も

 一方で、値下げに踏み切る企業も出ている。プログレードデジタルは、メモリカードやカードリーダーなど一部商品を3〜9%値下げする。急激な円安が止まり、円高傾向が安定化したためという。

 実際、円安傾向は落ち着きつつある。一時は1ドル150円を超えたドル円相場も、1月31日時点では約130円。とはいえ、エネルギー高騰など、他の値上げ要因は残ったままだ。果たして、値上げに歯止めはかかるタイミングはいつになるのか。

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