初日は、午前2時30分に横浜の自宅を充電量99%で岡山に向けて出発しました。100%でないのは、出発約10分前に、アプリからエアコンやシートヒーターをオンにしたためです。目指すは、420km先にあるTesla専用充電施設の大津スーパーチャージャーです。Model 3のエネルギー予測は、バッテリー24%残で到着とあります。
東名→新東名→新名神の各高速道路を約90km/h平均での走行です。静岡県の制限速度120km/h区間では制限いっぱいで巡航する場面もありましたが、おおむね90〜100km/hで走行していました。運転支援のオートパイロットは常にオンでした。
途中、浜松SA、岡崎SA、甲南パーキングエリア(PA)で十分に休憩をとりつつ、大津スーパーチャージャーに到着したのは午前9時過ぎでした。60代も半ばを過ぎると、無理な運転はしたくありません。というかできません。
結果的に、出発時の予想を大きく下回り10%残での到着でした。グラフを子細に見ると、東名高速の御殿場前後の上り下りで実測値(緑のライン)が、大きく下ぶれています。特に、スタートから距離にして100km付近の下り区間を含む部分の予測(グレーのグラフが上向いている部分)で十分な回生電力が得られていません。
ここは、120km/h制限区間が始まったところなので、気持ちよく120km/hで連続走行したことがその要因でしょう。Model 3は、90〜100km/hを超えると急速に電費が悪化します。
走行距離が伸びるに従い、実測グラフが徐々に予測と乖離していくのを目の当たりにして、このままでは無充電で大津まで到達できないのでは、と不安になり、前述した通り90km/h巡航に修正しました。以後は、実測グラフの凸凹がほぼ予測通りになっていると思います。
Model 3のエネルギー消費予測は、22年夏のアップデートで、高低差等に加え、気温、風速、乗車人員等の加重、タイヤ空気圧など複数のパラメーターを考慮するように変更になったと記憶しています。これは、筆者の経験則としての話ですが、アップデート後、下り行程での回生電力の予測が下ぶれするようになりました。以前は、もっと正確だったはずです。アップデートで改悪されたような気がします。
大津スーパーチャージャーでは、97%まで充電しました。岡山までは、60%も充電すれば余裕で到達できたのですが、翌日の行程を考慮して満充電近くまで粘りました。その夜は、宿の出力の弱い200Vの普通充電を利用することになるので、翌早朝の出発時間までに満充電は無理です。そのため、ここ大津でなるべく多くの電力をバッテリーに蓄え、翌日の九州までの行程を無充電で走破したかったことがその理由です。
200Vの普通充電では、1時間で約20km分しか充電できません。そうなると、仮に宿に滞在中、10時間充電しても200km分です。計画では、大津充電での余裕分と合わせて、宿の普通充電で90%(約450km分)まで回復する予定です。翌朝、429km先の福岡スーパーチャージャーに到達するために、大津でなるべく多く充電したかったわけです。
宿のある岡山の備中高松に早めに到着したので、大和朝廷が国の防衛のために築いたとされる古代山城「鬼ノ城」を観光しました。歴史書には登場しない謎多き山城ですが、遠くに瀬戸内海に島々を一望できるその眺望の素晴らしさに息をのみました。防御の拠点としては、最高の場所だったのでしょう。
一夜明け、翌朝3時30分に九州に向けて出発します。就寝中バッテリーは93%まで回復していました。200V普通充電は、遅いながらも常時約3kWをキープして確実に充電可能なので計算に狂いが生じません。
目指すは、429km先の福岡スーパーチャージャーです。予測グラフでは15%残で到着とあります。途中、宮島SAで休憩、壇ノ浦PAでゆったりと朝食を取り、須恵スマートICを出たところにある福岡スーパーチャージャーには、バッテリー残5%で午前10時過ぎに到着しました。
出発時の予測より10%ほど下ぶれしています。残り7〜8%程度になった頃から助手席の妻が「大丈夫なのか?」と心配し始めます。運転している筆者はというと、バッテリー残よりも、ミスして須恵スマートICを通り過ぎてしまうことが心配でドキドキしました。
もし、通り過ぎてしまうと、その先の太宰府ICで折り返す必要があります。距離にして約16kmです。計算上は約25km走れるので電欠の心配はありませんが、薄氷運転であることは間違いありません。
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