2日目の最終目的地である、ホテルニュー長崎へたどり着くためには、50%も充電すれば十分です。ホテルニュー長崎には、Teslaが設置したディスティネーションチャージャーがあり予約してあります。これは9〜10kWの充電能力を有しており、一晩でModel 3を満充電することができます。
長崎までたどり着けるだけの電力量を調達したら、さっさと充電を切り上げて出発すればよかったのですが、隣接するホームセンターのコメリの店内をゆっくりと散策してModel 3に戻った時点で84%まで充電されてしまいました。
「しまいました」と表現するのには理由があります。1年以上のEV生活で覚えた鉄則があります。それは、ガソリン車時代の「満タン主義を捨てろ」ということです。前車でガソリンを入れるときは、常に満タン指定でした。しかし、Model 3をスーパーチャージャーで急速充電する場合、常に満充電すれば良いわけではない、ということを学びました。
スーパーチャージャーは時間課金制です。次のグラフは、大津スーパーチャージャーのものです。ご覧いただくと分かるように、充電開始時は、174kWと高出力だったものが100%に近づくほど、右肩下がりで出力低下しています。
つまり、時間課金制なので、同じ料金を支払っても充電量が回復するに従い、バッテリーに入る電力量が少なくなるという現象が発生します。Teslaの場合、1分単位の時間課金制でkWの充電スピードに応じて4段階の料金が設定されています。
例えば、101 kW〜180 kWの範囲では、今回、1分あたり単価77円が請求されていますが、この範囲の上端下端でとでは出力が79kWも異なっています。同じ単価を請求されるのです。おまけに、100%に近づくほど低出力に拍車が掛かります。そこで、無駄に満充電を目指すのではなく、以後の走行に必要な量だけ充電したら、そこでストップするのが、エネルギーコストを節約するコツでもあるのです。
分単位で4段階出力料金のスーパーチャージャーはまだ良心的です。CHAdeMOという公共の充電施設で、「ZEPS3」という日産が提供する充電カードを利用すると、500円/10分という区切りとなり、出力が50kWでも10kW出力でも、充電を開始したとたん500円が課金されます(シンプルプランの場合)。
本来であれば、家庭向けの電気料金のように、従量課金制が望ましいのでしょうが、運用コストやビジネスモデルの関係で時間課金制での運用となっているようです。日本の場合、電気を従量制で売電する場合、計量法やその他電力関係のルールに則る必要があるため、事は単純に運ばないようです。
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