任天堂が、Nintendo Switch向けの汎用ゲームサーバにクラウドサービス「Google Cloud」を採用していることが分かった。2021年のローンチ以降、複数の人気タイトルで活用しているという。グーグル・クラウド・ジャパンが23年2月1日に発表した。
Google Cloudを採用したのは、オンラインマルチプレイ機能を提供する「任天堂プラットフォーム向け汎用ゲームサーバー」(NPLN)。NPLNは18年に開発を開始。任天堂では以前から「ニンテンドー3DS」向けの汎用サーバを構築・利用していたが、関わるITエンジニアや利用するゲームタイトルが増えたことから再設計することになったという。
コンセプトは、複数ユーザーが同じサーバやデータベースを使う「マルチテナント構成」と、小規模なサービス同士をつなげてシステムを構築する「マイクロサービス指向」の2軸に。小規模なサービスをまとめて管理できる「Anthos Service Mesh」が使えることから、基盤にはGoogle Cloudを選んだ。
他にもデータウェアハウス「BigQuery」や分散型データベース「Cloud Spanner」を導入した。ユーザー情報など、変化の保持が必要なデータはCloud Spannerなどに格納。NPLNのログなどはデータ収集・監視ツール「Cloud Logging」や「Cloud Monitoring」で管理・蓄積。BigQueryで分析可能にした。
基本的にはマルチテナントでの運用だが、Anthos Service Meshを使うことで、アクセスが集中するタイトルのみシングルテナント(サーバやデータベースを占有して使う方式)に切り離せる仕組みも実現したという。
NLPNは任天堂の作品だけでなく、ゲームソフトを専業で開発する企業のゲームタイトルにも提供しているという。今後の機能拡張にもGoogle Cloudのサービスを活用する方針。
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