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“Kiss”の名が付かない「EOS R50」、いい感じにKissだった荻窪圭のデジカメレビュープラス(1/6 ページ)

» 2023年02月18日 09時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 初代「EOS R」が誕生して5年目。やっとEOS RのKiss版が出たのである。でもそれはKissじゃないのだった。

丸みがあって小さくて可愛いホワイトの「EOS R50」

 1993年に初代EOS Kissが誕生して以来、フィルム一眼レフ、デジタル一眼レフ、ミラーレス一眼と進化し続けたエントリー一眼の代名詞だったKissは記念すべき30周年の今年、とうとうその名がなくなるのである。見た目も操作感も完全にEOS KissなのにKissの名が付かない、EOS Kissの正統的後継モデルなのにKissの名が付かない、「EOS R50」の誕生である。

 びっくりだけど、分からないでもない。

 EOS Mシリーズのエントリーモデルに「EOS Kiss M」と名づけた上にEOS Kiss Rまで登場すると異なるマウントの製品が似た名前で並んで紛らわしいのもあるだろうし、Kissの名は日本独自のもので、グローバル展開を考えて製品名をそろえたというのもあるだろう。Kissの名を見直すにはマウントが変わる今、ちょうどいいタイミングだった。

 そして、日本でいうEOS Kiss Mの海外での名称は「EOS M50」であるから、EOS KissのR版が「EOS R50」なのはすごく納得できるのだ。

 Kissというインパクトのあるシリーズ名を忘れるのは難しいけど(何しろ、エントリー向けデジタル一眼の象徴としてその名は使いやすかったのだ)、いつまでもKissKiss言ってるわけにもいかないのだろう。

 なお、今回は発売前の最終バージョンではない機材を試用しているのでご了承ください。作例も縦横半分のサイズになっております。

シーンインテリジェントオートと自動被写体検出の相性が良すぎ

 Kissの名が付かないEOS R50はどのくらいKissを受け継いだのか。そりゃもう、かなりいい感じに継承したのである。

 ついEOS Kiss Rと言いたくなるほど、EOS R50のデザインはEOS Kiss Mに近い。ボディカラーはホワイトとブラックで、R50の象徴となるホワイトモデルはホワイトとグレーの組み合わせがすごく印象的でEOS Kiss Mのホワイトモデルを彷彿とさせるし、径が大きなRFマウントなのにボディは非常にコンパクトでホワイトモデルで質量も約376g(バッテリーとSDカードを含む)とすごく軽い(ブラックモデルはそれより1g軽い)。

 しかもレンズキットの標準ズームレンズ「RF-S 18-45 IS STM」はなんと約130gと超軽量なのだ。その分マウント部が金属じゃなかったりするし、F4.5-6.3と開放F値がけっこう暗めだったりするけど、ボディと合わせて約506gである。

EOS R50とキットレンズ。沈胴式なのでぐにっとズームリングを回して使う。キットレンズは軽くてコンパクト
標準ズームレンズのマウントは非金属。軽くて安い。このクラスだとそう頻繁にレンズを付けかえることもないだろうからいいのかも

 小さいけれども、かつてのKissシリーズのデザインを受け継いでいるので、グリップはしっかりしていて握りやすい。

小さくて軽いがグリップはしっかりしていて手が小さい人でも握りやすく構えやすい。レンズはレンズキットの18-45mm

 使ってみて思うのは、小型軽量化やコストダウンをしつつ、必要な最新技術はうまく取り入れていること。

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