「Midjourney」や「Stable Diffusion」といった画像生成AIが登場して以降、「自分でも好きな画像を作ってみたい」と思う人も増えているのではないだろうか。実際にそうして調べていると、こんな表現に必ずと言っていいほど行き当たる。
「Hugging Face上でお手軽に試せます」「モデルはHugging Faceからダウンロード」「Hugging Faceのライブラリを」──。
例えばStable Diffusion(以下、SD)を使いたいなら、SDは英Stability AIが主立って公開しているものだから、同社Webサイトを参照するのが王道だ。するとソースコードや導入方法がまとまったGitHubのページに案内されるのだが、いざ説明を読むとやはりSDの学習済みモデルがHugging Faceというサイト上にあるのが分かる。
公式がそう案内しているから怪しくはないのだろうが、「Hugging Faceとは一体何なんだ」という疑問は解消しない。
結論から言ってしまうと、サービスとしてのHugging FaceはAI・機械学習に特化したGitHubと、クラウド実行環境が合わさったようなものだ。企業としても、Hugging Faceは時価総額20億ドルを超えるなど急成長中のユニコーン企業だ。
例えばSDのバージョン2.1は、Stability AIがHugging Faceのいちユーザーとして「https://huggingface.co/stabilityai/stable-diffusion-2-1」というURLで公開している(2023年2月23日現在)。
ページを開いてみると3つのタブがあり、「Model card」はAIモデルの説明、「Files and versions」は学習済みモデルなどのファイル掲載、「Community」はAIモデルに関する議論、といった構成になっている。
このページはHugging Faceが「Hugging Face Hub」という名称で提供しているもので、ファイルの共有や機能追加などの議論ができる点は確かにGitHubに似ている。
GitHubに比べてHugging Faceが強いのは、一つはアップロードできるファイルサイズだ。サーバの保存容量には物理的に上限があるため、普通はあまり大きなファイルはアップロードしてほしくないもの。
GitHubは1ファイル100MBの制限をした上で、リポジトリ当たり大きくても5GB未満を強く推奨している。一方のHugging Faceは、ファイルサイズの上限について公式文書は見つけられなかったものの、少なくともSD 2.1では5GBを超える学習済みモデルのファイルが4つもアップロードされている。
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