ここまで「GitHub的機能」と「クラウド実行環境」を紹介してきたが、こうした整理がないまま初見でいろいろ見ているとこんがらがるのが「Hugging Face自身もまたデベロッパーとして活動している」ということだ。
画像生成AI関連では彼らが公開している「Diffusers」というPython向けライブラリが有名で、SD 2.1の公式の説明でも「Diffusersを使うのがシンプルで効率的な方法」と書いているほど。
GitHubのHugging Faceのページを見るとDiffusersの他にもさまざまな制作物を公開しており、「Transformers」という機械学習ライブラリは8万を超えるスター(いいね、ブックマーク的な機能)を集めている。
プラットフォーマーなだけでなく、Hugging Face自身もライブラリを開発・提供していると覚えておくといいだろう。
元はチャットbotアプリの開発企業として2016年に創業したHugging Faceだが、米Forbesによれば、同社は2018年にこのアプリのソースコードの一部を無料で公開し始めたという。この後、現在のAI特化プラットフォーム事業に行き着いた。
2021年には4000万ドル、2022年5月には1億ドルを調達し、この1億ドルの調達によって時価総額は20億ドル(約2600億円、当時レート)に達したという。
実行基盤の強化では米AWSとも連携しており、2月22日にも連携強化の発表があった。
このように破竹の勢いではあるが、それ故にか批判もないわけではない。SD登場以降の画像生成AIの中には法的あるいは倫理的な側面から批判を浴びているAIモデルもある。そうしたAIモデルの一部もHugging Face上に公開されているのだ。アップロードされている各モデルに対し、同社が何か審査をしているのかは定かではない。
ともあれ、ユニコーン企業になるほどの時価総額を持つ注目のAI企業であることは確か。サービスもAIの開発者や利用者のニーズをしっかりと握ってきている。画像生成に限らず、AIに興味があるなら覚えておきたい名前だ。
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